【定 義】 磁性物質に対して外部から磁界を加えると寸法が変化する現象。
【解 説】 磁性物質の結晶格子は、外部磁界のない状態ですでに特定の方向に変形している。 その原因は磁性体内で配列している磁性元素が静電気的に結合している状態に対して磁気モーメントが作用してひずみが生じるためである(磁気弾性エネルギー)。 一方、物質の弾性力は磁気モーメントによって増加するひずみ量に対して2乗の力でこれに対向し、双方の力の和の極小点で均衡した状態となっている(弾性エネルギー)。 強磁性体の寸法が有限の場合には、その静磁エネルギーを最小にするため、自発磁化の方向の総和がゼロになるよう小さな磁区に分割される。 1つの磁区内での自発磁化の方向は同一である。外部から磁性物質に一方向の磁界を加えた場合、各磁区内の磁化はその方向に向きを変えていく。 その結果、結晶体のひずみ状態は外部磁界のない状態から別の均衡点に移り、磁性体の寸法が変化する。この効果は、磁歪効果とも呼ばれる。
【参考資料】 (4)
【関連用語】 磁歪効果