【定 義】 走査プローブ顕微鏡の一種。プローブを走査してプローブと物体との間に働く静電力を測定し、その値に基づいて画像を構成する顕微鏡。
【解 説】 静電力顕微鏡は走査プローブ顕微鏡の一種で、静電力を物理量として測定するものである。 走査キャパシタンス顕微鏡とも呼ばれる。 プローブと被測定物体の間に電圧Vを加えると、両者に働く静電力fは電圧の二乗にプローブと物体間の静電容量Cを掛けて得られるエネルギーを、厚さ方向のzに関して偏微分をした値に比例する。 すなわちf=∂(C・V2/2)/∂zとなる。 したがって電圧を一定値にしておけば発生力から両者の間の静電容量が求められる。 現在のところ1 Hzのバンド幅で10-21Fの範囲まで測定できる。 また距離を測定しながら、プローブをアースして静電力を測定すると電圧を求めることができる。 電荷を与えてその時間的変化を静電力の変化から求める方法なども開発されている。 さらにバイアス電圧を変えながら静電容量を計測することで半導体のドーパントの状態などを知ることもできる。 したがってこの装置はマイクロサーキット等の局所の電気的特性を知るのに有用である。
【参考資料】 (6)(28)
【関連用語】 走査トンネル顕微鏡(STM)