【定 義】 マイクロマシンが使われるような微小な世界におけるトライボロジー。
【解 説】 トライボロジーとは、マクロな世界での摩擦や摩耗を扱う学問分野である。 一方、マイクロマシンのように構成する部品の寸法が極端に小さくなると、重力や慣性力にかわって、表面力や粘性力が支配的になってくる。 クーロンの摩擦法則によれば摩擦力は垂直荷重に比例するが、マイクロマシンの環境では表面間力のため、通常のスケールでは考えられないような大きな摩擦力が現れると言われている。 また、通常のサイズでは問題にならない極微少量の摩耗が、マイクロマシンにとって致命的なダメージとなる。マイクロトライボロジーの研究では、摩擦面や固体表面で起きる現象のオングストロームからナノメートルの分解能での観察や、原子レベルの相互作用の解析を通して、摩擦力の低減や原子的に見ても摩耗の生じない条件の発見が試みられている。 これらのアプローチは、マイクロマシンのみならず通常のスケールのトライボロジー問題の解決にも役立つものと期待されている。
【参考資料】 (1)
【関連用語】 メソトライボロジー