Ⅰ 国内外トピックス
1 新聞記事
7月12日 日経産業新聞
携帯・パソコンに光配線:速度、銅線の100倍超;オムロン テープ状樹脂開発
オムロンは携帯電話やパソコン内部の情報を光でやり取りするための「光配線」を開発した。柔らかなアクリル系樹脂製でテープのように細長く、中心部に光が通る極細の芯を設けた。銅配線と比べて100倍以上の高速大容量データ伝送ができ、高精細画像も扱いやすくなる。開発したのは機器内部の基板と基板を光信号で結ぶ配線。「光導波路」と呼ばれる阻止の一種で、幅1~2ミリメートル、厚さ200マイクロメートル、長さ数センチメートル。テープの中心部には断面が50マイクロメートル角の芯が通っている。芯の部分は、周囲と比べて光の屈折率が高く、光信号を閉じこめた状態で伝送できる。伝送速度は毎秒ギガビットレベルで銅線の100倍以上。
7月23日 日刊工業新聞
多結晶ダイヤで酵素固定:血糖値や尿検査に威力;早大が新バイオセンサー開発
シリコンに代わって、生体になじみの良いダイヤモンドを用いた電界効果トランジスタ(FET)による酵素センサーがロバスト(堅牢)で安価なセンサーとなる可能性が生まれてきた。早稲田大学理工学部電気情報生命工学科の川原田洋教授らはダイヤモンドFETで初めて酵素を固定したバイオセンサーを開発、従来のシリコンイオン感応性(IS)FETに比べ、高感度を実証した。化学気相成長法(CVD)による多結晶ダイヤ表面を水素で終端した表面チャンネルを利用する単純なFET構造で、安定なうえ、直接、化学修飾しやすく、感度、検出速度ともすぐれる。
7月28日 日刊工業新聞
摩擦で接合:シリンダーブロックの内面にアルミ層;名大
名古屋大学の篠田剛教授らは、摩擦熱を利用してエンジンのシリンダーブロック(アルミ製)の内面にアルミ層をコーティングするように接合する技術を開発した。摩擦による表面改質効果ではがれにくく、耐摩耗性がある。「ライナー」といわれる鉄系材料を使わないオールアルミ化エンジンを可能とし、エンジンの小型軽量化やリサイクル向上につながる。実用化に向け年内に大学発のベンチャー企業を設立する。
7月23日 日経産業新聞
新薬候補物質 半日で解析:パソコンソフト開発;富士総研
富士総合研究所は新薬の候補となる物質を効率的に調べられる数値計算ソフトウエアを開発した。パソコンを10台以上使って並列処理するソフトで、処理効率が2割以上向上。一千種類の分子を対象にした場合、半日で構造を解析して候補物質を絞り込める。操作性を高めるためソフト専用のプログラム言語を開発。数値計算の専門家でなくても簡単に扱える。薬効を定量的に評価する機能も開発しており、今後、実験を重ねて精度を確かめる。ソフトの価格は標準的な場合で約4千万円。
7月29日 日経産業新聞
渦巻き端子で小型化:コネクターに代わる接続部品 接続面積1/3;アルプス電気
アルプス電気はコネクターに代わる小型の接続部品「マイクロコンタクト」を開発した。銅合金を材料に使った渦巻き形状の接続端子をフイルムの上に加工した。接続に必要な面積はコネクターに比べ約1/3。高周波特性にも優れており、携帯電話やデジタルカメラをはじめとする幅広い電子機器向けに2005年夏の商品化を目指す。従来のコネクターは接続端子部分が棒状のピンが並んだ形状をしているが、マイクロコンタクトは銅合金をエッチング工法で渦巻き形状の微細な接続端子をつくり、フイルム上にメッキした。
7月29日 日経産業新聞、日刊工業新聞
カーボンナノチューブ 2芯構造を合成:信州大、4年ぶり新タイプ
信州大学工学部の遠藤守信教授の研究チームは28日、ナノテクノロジーを代表する素材「カーボンナノチューブ」の新タイプを合成することに成功した、と発表した。断面がメガネのように2芯構造になっている。電気的特性を工夫することでナノメートルレベルの電気制御などが可能になり、超小型センサーなど電子デバイスの開発につながりそうだ。二重構造になっている2本のナノチューブを約摂氏2100度に加熱し、内層チューブをそのままに、外層チューブだけをつなぎ合わせて一本にする。内層チューブの一方に金属的な性質、もう一方に半導体の性質を持たせれば、電流をナノメートルレベルで制御できる可能性もある。
7月29日 日経産業新聞
たんぱく質1分で解析:資料12種同時に;徳島大が小型チップ
徳島大学の馬場嘉信教授らは、たんぱく質の機能を短時間で解析できる小型チップを開発した。従来は約7時間かかっていたが、新チップを使えば約1分で調べられる。たんぱく質を応用した医薬品開発の効率化につながる。BSE(牛海綿状脳症)などのたんぱく質検査を現地でそのまま実施することも可能になる。3年後の実用化を目指す。馬場教授らの開発したのは、手のひら程度の大きさのチップ2枚で、たんぱく質の解析に関するすべての作業をこなす機能を持つ。12種類の資料を同時に解析できる。
7月30日 日経産業新聞
磁化の強さ評価:メモリー大容量化に道;産総研など新測定技術
産業技術総合研究所と科学技術振興機構は、次世代メモリー「MRAM(磁性記録式随時書き込み読み出しメモリー)」などに使う新しい磁性材料の性能測定技術を開発した。新材料開発を大幅に効率化でき、将来のメモリーの大容量化につながる成果という。30日付の米科学誌サイエンスに掲載される。新材料に赤色レーザーを当てると、反射光の一部が青色に変わり、また素子の磁化の影響で偏向面が回転する「磁化誘起第二高調波発生」という現象が起きる。この光の回転を測ることで磁化の強さがわかる。
8月2日 日刊工業新聞
金属寿命を正確予測:マクロセル腐食を解析 数値活用で設計最適化;富士総研がシステム
富士総合研究所は水や海水、化学溶液などにさらされている金属表面のマクロセル腐食速度の解析システムを開発した。腐食速度を定量的に評価し、金属寿命を正確に予測することで、最適設計ができる。8月に市場投入し、石油化学、機械業界などに普及を図る。解析システム「3Dカフェ」は、東洋大学と東京工業大学、荏原総合研究所の共同研究成果をシステム化した。具体的には、腐食性溶液中の金属の電位分布、電流密度分布をシミュレーションで評価し、3次元で表示する。これにより最適な防食設計、犠牲陽極の減少速度や異種金属接触腐食速度の評価などができる。
8月7日 電波新聞
MEMSの産業化急ぐ:ファンドリーネットワークシステム構築;マイクロマシンセンター
マイクロマシンセンター(野間口有理事長)はMEMS産業化を早期に進めるために「MEMSファンドリーサービス産業委員会」の参加者数、組織を強化し、ファンドリーネットワークシステムを構築する。「事業基盤を固めるには課題は多い。この課題を解決、方策を検討して、日本が中長期的にMEMS産業で競争力をつけなくてはならない」わけだ。そこでマイクロマシンセンターの「MEMSファンドリーサービス産業委員会(FSIC)」のメンバーに新たに設計・シミュレーションを行うソフトベンダーである日本ユニシス・エクセリューションスと富士総合研究所が参加し、10社に増えた。MEMS市場は応用製品まで含めると現在でも五千億円強あるとされる。産業分野としてマイクロファクトリー、計測、情報通信機器、自動車、精密機器、バイオ、医療福祉、航空宇宙、エネルギーなどが予測され、この市場で将来一兆円を超えると想定される。
Ⅱ マイクロマシンセンターの動き
1 第11回ファンドリーサービス産業委員会の開催
第11回ファンドリーサービス産業委員会(委員長:オリンパス(株)、三原孝士氏)が7月13日(火)に開催されました。
ファンドリーサービス産業委員会の今年度の事業内容に関する主な議論の概要はつぎの通りです。
(1)新オブザーバー自己紹介
独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)にMEMSビジネス棟が完成し、活動を開始した。当委員会のMEMSネットワーク強化のため、産総研との連携を図る目的で今回から産総研にオブザーバーとして当委員会に出席して貰っている。産総研、先進製造プロセス研究部門マイクロ実装Gr池原毅氏(前田龍太郎の代理)の自己紹介がなされた。
・ MEMSビジネス棟では小規模ファンドリー機能を果たす。
・ MEMS-ONEプロジェクトでは、シミュレーター用データベースの開発を担当している。
(2)ネットワークシステム構築について
・コンサルテーション機能について:代表的な問診表を作成し、これに基づいて対応することを検討する。(問診表案作成は、次回委員会までにMEMS産業化共同調査委員会(委員長:オリンパス 太田亮氏)が行う。)
・ネットワーク拡大方法について:各地域の大学の持っているベンチャーラボ的な組織、及び各地域の工業技術センターを含めたネットワーク構成の構築を検討する。前記各組織の所有している設備内容、試作可能プロセス等に関する調査と、調査結果のネットワークでの紹介を行う。(情報共有の場としてのネットワークの利用)
(3)MEMS-ONEプロジェクト(H16~H18年度)の概要紹介
・MEMS-ONEプロジェクトの内容紹介と協力依頼が青柳専務理事よりなされた。
(4)ICEE2004札幌大会併設展示会報告
・プロモーション活動の一環として、7月4日~6日札幌コンベンションセンターで開催されたICEE2004札幌大会併設展示会に当委員会活動紹介用展示パネル2枚を展示した。
(5)第3回MEMS講習会について
第3回MEMS講習会の開催内容について再確認した結果を以下に示す。
・第3回講習会開催概要:開催日;2004年7月21日(水)13:00~17:30~19:00
場 所;アルカディア市ヶ谷(私学会館)
・パネル展示はマイクロマシンセンターの当委員会紹介用のみとし、各委員企業は自社の技術紹介用パンフレットを80~100部持参展示する。
・講演する講師及び当委員会委員は名札(マイクロマシンセンターが準備)を付け、懇談会会場で参加者が相談相手を見つけ易くする。
・三原委員長の当委員会紹介講演に新規加入の産総研紹介内容を追加する。
・講習会参加者にアンケート調査を行う。アンケート内容案は富士総研が作成し、7/15(木)までにMMCに提出する。
・産総研も新MEMSビジネス棟で講習会を予定しており、産総研の講習会に関するアンケーの配布を第3回MEMS講習会でお願いしたい。(産総研)
(6)各社の得意技術紹介
アルバックの不破耕委員から自社の技術紹介が行われた。
(7)MEMS関連トピックス紹介
日立製作所の小出委員から日立の「MEMS・薄膜プロセスに関するファンドリーサービス」について技術サービス内容が紹介された。
(8)その他
次回第12回ファンドリーサービス委員会は10月6日(水)14:00~17:30に開催する。
2 第3回講習会「MEMSの設計・加工技術と応用例」の開催
当センターファンドリーサービス産業委員会(委員長:オリンパス(株)三原孝士氏)主催の第3回MEMS講習会「MEMS設計・加工技術と応用例」を、7月21日(水)アルカディア市ヶ谷(私学会館 東京都九段北)で開催しました。講習会の内容は下記に示す通りです。
東京で2回目の講習会となりましたが、最近のMEMS産業に対する関心の高さから、当日の酷暑の中、一般参加者は69名に達しました。講習会発表者、及び事務局担当者を含め、89名と盛況な講習会となりました。今回の講習会が初心者及び中級者向けであったこともあり、20~30歳代のMEMS経験2年未満の若い参加者が多いのが特徴でした。また、講習会の終了後、別室においてファンドリーサービス産業委員会委員及び講師の方々と参加者のみなさんとの懇談会を開催しましたが、これも大変盛況でした。
なお、第4回MEMS講習会は来年1月末に関西で開催の予定です。
プログラム
13:00 主催者挨拶
青柳 桂一 (財団法人マイクロマシンセンター 専務理事)
13:10 新産業創出のキーとなるMEMSテクノロジー
杉山 進 (立命館大学理工学部 教授)
14:00 光MEMSの設計技術
太田 亮 (オリンパス(株) 研究開発センター MEMS開発本部 グループリーダー)
14:35 MEMS設計におけるシミュレーション
入江 康郎 ((株)富士総合研究所 科学技術研究部 MEMSプロジェクト 主任研究員)
---- 休憩 15:10~15:20 ----
15:20 MEMS加工・製造プロセス
小澤 信男 (沖電気工業(株) SiMC MEMS事業推進チーム 課長)
15:55 MEMS製造装置
林 俊雄 ((株)アルバック 半導体技術研究所 第1研究部長)
16:30 MEMS実装技術
橋本 幹夫 ((株)フジクラ 電子デバイス研究所 シリコン技術開発本部 グループ長)
17:05 ファンドリーサービス産業委員会活動紹介
三原 孝士 (オリンパス(株) 未来創造研究所 上席研究員)
---- 休憩 17:30~17:40 ----
17:40~19:00 懇談会 (4階 飛鳥)
3 第2回MEMS産業化共同調査委員会の開催
第2回MEMS産業化共同調査委員会(委員長:オリンパス(株)、太田 亮氏)が7月23日(金)に開催されました。今回の委員会では、(1)MEMS専門用語に直し、問診表もどきの検討、(2)地方工業技術センターの実態調査報告、(3)学会情報(IECC/APCOT)調査報告が主な議題でした。
特にMEMS専門用語に直し、問診表もどきの検討については、7月13日(火)に開催された第11回ファンドリーサービス産業委員会での討議内容が報告され、期待も大きく本委員会で原案作りをすることになった。に提案した課題の実現に向けた取り組みをファンドリーサービス産業委員会と協力して行うこと。
また、札幌で開催されたIECC/APCOTの報告を受け、東南アジアのMEMSへの積極的な参入が注目されており、特に半導体以来のファンドリー産業に着手している台湾を調査活動することになった。
4 第30回標準化事業委員会の開催
第30回標準化委員会が8月3日(火)に当センター会議室において開催されました。本年度より当委員会の委員長を社団法人機械技術協会の大山尚武会長当に就任して頂くことになりました。委員会は標準化事業の円滑な推進を目的としており、専門用語部会、薄膜材料の引張試験に関する国際標準化提案を目指す材料特性標準化委員会、さらに昨年より始まりました薄膜材料の疲労試験関連委員会に関する活動を統括しています。これらの委員会は今年度の活動が既に始まっており、進捗状況について説明がなされました。
今回はMEMSロードマップに関し討議がなされました。経産省では、産業技術環境局が主導して、今年度中に分野ごとの技術ロードマップを策定することになっており、MEMSが取り上げられています。また、大和田委員よりこの7月に開催されたIEC(International
Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)の報告があり、韓国の委員よりMEMSの体系化(枠組み)を行い、それに従って標準化を進めるべきであるという理由からMEMSのロードマップがIECに提案されています。当委員会でMEMS用語の標準化を世界に先駆けて進めていますが、ロードマップ作成と非常に密接なものがあり、今後、ロードマップの議論を行いつつ、具体的な標準化を進めて行くことに関し意見が一致しました。
次回は10月28日(木)に開催する予定です。
なお、委員会構成は以下のようになっております。
委員長 大山 尚武 社団法人機械技術協会
委 員 土屋 智由 京都大学大学院工学研究科機械工学専攻
〃 三井 公之 慶應義塾大学 理工学部 機械工学科
〃 小林 敏雄 財団法人日本自動車研究所
〃 諸貫 信行 東京都立大学大学院 工学研究科 機械工学専攻
〃 壁井 信之 埼玉県立循環器・呼吸器病センター 総合研究施設
〃 大和田邦樹 国際標準化工学研究所
〃 石川 雄一 独立行政法人産業技術総合研究所 臨界副都心センター
〃 小川 治男 オリンパス光学工業株式会社 研究開発センター
〃 古田 一吉 セイコーインスツルメンツ株式会社 技術本部
〃 本間 敏男 長野計器株式会社 総合研究所 センサ開発課
〃 長岡 嘉浩 株式会社日立製作所 機械技術研究所 第1部
〃 武田 宗久 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 センシング技術部
オブザーバ 三上 優美子 経済産業省技術環境局 標準課 情報電子標準課室推進室
5 第1回マイクロ・ナノ材料の疲労試験に関する委員会の開催
平成15年度に引き続き経済産業省からの委託事業「エネルギー利用合理化システム標準化調査事業(マイクロ・ナノ材料の疲労試験に関する標準化調査研究)に関する掲題の委員会を8月6日(金)に開催しました。本委員会は本年度初めの委員会となるため、疲労試験の標準化を主たる目的とする標準化推進委員会(委員長:大和田邦樹 国際標準化工学研究所 所長)と、疲労試験の実施を主たる目的とする調査研究委員会(委員長:肥後 矢吉 東京工業大学 教授)との合同委員会として開催しました。この委託事業では3年間の事業期間内に薄膜材料の疲労試験を実施して、その成果を国際規格として提案する事を目的としております。今年度は疲労試験を実施する年に当たっており、主として試験を実施するための具体的な方策について討議しました。
なお、当センターからは国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)に、マイクロマシン/MEMS専門用語や、薄膜材料の引張試験に関して合わせて3件の規格提案の実績を有しております。
また、先に紹介いたしました2つの委員会は、以下の構成になっております。
①標準化推進委員会
委員長 大和田邦樹 国際標準化工学研究所
委 員 土屋 智由 京都大学大学院 工学研究科
〃 早乙女康典 群馬大学大学院 工学研究科
〃 肥後 矢吉 東京工業大学 精密工学研究所
〃 高島 和希 東京工業大学 精密工学研究所
〃 佐藤 一雄 名古屋大学大学院 工学研究科
〃 生津 資大 兵庫県立大学大学院 工学研究科
〃 磯野 吉正 立命館大学 理工学部
〃 石川 雄一 産業技術総合研究所 臨海副都心センター
〃 菅野 久勝 日本試験機工業会
〃 北田 浩二 (社)電子情報技術産業協会 標準・技術部
〃 若林 秀一 オムロン(株) 技術本部 中央研究所
〃 太田 亮 オリンパス(株) 研究開発センター
〃 古田 一吉 セイコーインスツルメンツ(株) 技術本部
〃 竹井 裕 ソニー(株) レコーディングメディアカンパニー
〃 吉冨 雄二 (株)日立製作所 機械研究所
〃 毛野 拓治 松下電工(株)半導体開発センター
〃 鈴木健太郎 横河電機(株)先端技術研究所
②調査研究委員会
委員長 肥後 矢吉 東京工業大学 精密工学研究所
委 員 土屋 智由 京都大学大学院 工学研究科
〃 早乙女康典 群馬大学大学院 工学研究科
〃 高島 和希 東京工業大学 精密工学研究所
〃 佐藤 一雄 名古屋大学大学院 工学研究科
〃 生津 資大 兵庫県立大学大学院 工学研究科
〃 磯野 吉正 立命館大学 理工学部
〃 石川 雄一 産業技術総合研究所 臨海副都心センター
〃 千葉 徳男 セイコーインスツルメンツ(株)デベロップメントセンター
6 MEMS-0NE関係委員会の動き
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」の実施ならびにその成果普及にかかわる事業を推進する為、MEMSシステム開発センター(以下MEMS-ONE)を設置しました。
なお、これに伴い財団法人マイクロマシンセンターの組織規程の改正を、平成16年度第2回臨時理事会に諮り承認されました。
(1).第1回知識DB委員会の開催
第1回知識DB委員会(委員長:京都大 小寺秀俊教授)が7月14日(水)に東京グリーンホテルで開催されました。第1回目とあって、プロジェクトに参画する10大学と企業(ソフト開発、ファンドリ、ユーザ)からの出席者は30名となりました。
今回の主な議題は、各大学の先生方にMEMS材料特性、プロセス、数値解析、計測方法等に関する知識データについての調査結果を発表いただくことでした。小寺委員長から事前に宿題が出されており、担当される知識データについて発表いただきました。
これらの知識データを体系化し、知識データベースの枠組みを検討して、使い易い知識データベースの構築が今後のテーマとなります。
(2).第1回、第2回ソフトウェア委員会の開催
第1回ソフトウェア委員会(委員長:オリンパス 三原孝士氏)が7月9日(金)に開催されました。この委員会は、フレームワークソフトおよび数値解析ソフトの開発に関する進捗管理と、ソフトの機能仕様にユーザの意見を十分に反映することを主な役割としています。
第一回は、全工程(3ヵ年)におけるマイルストーンについて検討を行い、開発ステップの用語定義を明確にし、開発ターゲットの基本方針を決定しました。
第2回は8月5日(木)に開催され、ソフトの機能仕様にユーザの意見を反映してプロジェクトの目的を達成することが、委員会の主な役割の一つになっています。今回はこの目的の第一弾として、機構解析・プロセス解析・接合解析ソフトの機能仕様に関してユーザと意見交換を行いました。今回得られた多くの要望や意見は、これからヒアリング等を実施して機能仕様に反映しつつ機能の絞込みを行います。
(3).第1回材料・プロセスDB委員会の開催
第1回材料・プロセスDB委員会(委員長:産総研 前田龍太郎氏)が8月10日(火)に開催されました。第1回目のため、藤田博之プロジェクトリーダ(東京大学・教授)の挨拶および出席者の自己紹介が行われました。議題は、主にMEMS材料の試験方法、計測項目、測定方法等について議論がされました。
本委員会と知識DB委員会は、研究内容に密接な関係があるため、次回は合同で開催することになりました。
7 第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム開催の準備状況
第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムのプログラムが決まりました。このシンポジウムの開催準備は、毎年4月に開始され、5月の国際交流委員会でシンポジウムのフレームワーク(概要)が決められ、6月の組織委員会では、シンポジウムのサブテーマと基調講演の候補者が推薦されました。プログラム委員会では、これらの委員会の決定事項に基づき、今回のプログラムを具体化しました。
今回、推薦された講演候補者全員から内諾が得られたため、講演件数15件(海外4件、国内11件)の盛り沢山な内容となり、先ず賛助会員の皆様にその内容をご披露いたします。
第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムプログラム
セッション1:オープニング 司会 青柳桂一
9:15-9:20 開会挨拶 (財)マイクロマシンセンター 理事長 野間口 有
9:20-9:25 来賓挨拶 経済産業省 製造産業局 産業機械課 課長 小宮義則
9:25-9:55 特別講演
「MEMSの現状と今後の発展(次世代プロジェクトの必要性)」(仮題)
立命館大学 教授 マイクロシステム技術研究センター長 杉山 進
セッション2:マイクロマシン技術と安心・安全な高度情報化社会 司会 桑野博喜
9:55-10:25 「自動車とMEMS」
トヨタ自動車㈱ 第3電子技術部 部長 藤川東馬
10:25-10:55 「ディスプレイとMEMS」
ソニー㈱ マイクロシステムズネットワークカンパニー
レコーディングメディアカンパニー 開発部門 部門長 竹井 裕
10:55-11:25 「最新の内視鏡」
オリンパス㈱ 取締役常務執行役員 医療システムカンパニー
医療研究開発本部 本部長 降籏廣行
セッション3:新しいMEMS・システム・テクノロジー 司会 藤田博之
11:25-11:55 「Wireless sensor networks ? Smart Dust -」
Crossbow Technology Inc., Vice president, International
Operations,
John Crawford
11:55-12:25 「Autonomous microsystems for health and comfort monitoring
applications」
IMEC(Interuniversity MicroElectronics Center) Microsystems
Dept.,
Director, Chris Van Hoof
12:25-13:10 昼食
司会 下山 勲
13:10-13:40 「MEMSネットワークシステム」
東北大学大学院 工学研究科 ナノメカニクス専攻教授 桑野博喜
13:40-14:10 「MEMS技術による乱流制御スマートスキンの開発」
東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻教授 笠木伸英
14:10-14:40 「バイオマテリアルおよびマイクロチップテクノロジーを用いたバイオデバイ
ス開発と生物医学応用」
北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 バイオ系研究室教授 民谷栄一
14:40-15:10 「マイクロ・ナノマシニングに革新をもたらすナノインプリント技術」
産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 マイクロ実装研究グループ
研究グループ長 前田龍太郎
15:10-15:40 「アレイ集積化MEMS ―非冷却赤外線イメージセンサを中心に― 」
立命館大学 理工学部 マイクロ機械システム工学科教授 木股雅章
15:40-15:55 休憩
セッション4:MEMS研究開発の政策動向 司会 前田龍太郎
15:55-16:25 「Status and future trends of MEMS research in the U.S. for
biomedical applications」
University of California, Irvin, Prof. William C.
Tang
16:25-16:55 「MEMSの市場動向」
東京大学大学院 情報理工学研究科 知能機械情報学専攻教授 下山 勲
16:55-17:25 「EC FP6 network of excellence in Multi-Material-Micro-Manufacture(4M)」
Cardiff University, Manufacturing Engineering Centre,
Operations Director, Dr. Stefan Dimov
17:25-17:55 「MEM設計解析システムの必要性と開発」
京都大学大学院 工学研究科 機械工学専攻教授 小寺秀俊
セッション5:クロージング
17:55-18:00 閉会挨拶 (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳桂一
Ⅲ 行政動向
1 平成17年度科学技術関係予算の改革について
「総合科学技術会議」は、総合的・基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を目的にして内閣府に設置されている。第38回総合科学技術会議(平成16年7月23日開催)において、「平成17年度科学技術関係予算の改革について」の資料が配布され、科学技術関係予算の改革推進による科学技術施策の質の一層の向上が議論された。
情報入手 http://www8.cao.go.jp/cstp/
Ⅳ イベント案内
1 当センター主催のイベント
・ 詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870
(1) 第15回マイクロマシン展
開 催 日:平成16年11月10日(水)~12日(金)
開催場所:科学技術館(東京、北の丸公園)
(2) 第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催
開 催 日:平成16年11月11日(木)
開催場所: 科学技術館、サイエンスホール
2 その他のイベントのお知らせ
・ 詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870
・ 番号上にNew の表示のあるイベントは、今回新規掲載分。
(1) Optical MEMS 2004(2004年光マイクロマシン国際会議)
開 催 日: 2004年08月22日(日) ~ 26日(木)
開催場所: 香川県高松市、サンポート高松
主 催: 電気学会センサ・マイクロマシン準部門
情報入手: http://www.conferences.jp/optical-mems04/
(2) COMS2004 (The 9th International Conference on the Commercialization
of Micro and Nano Systems)
開 催 日: 2004年08月29日(日) ~ 09月02日(木)
開催場所: Alberta, Canada
主 催: MANCEF
情報入手: http://www.mancef-coms2004.org/
New
(3) 2004分析展
開 催 日: 2004年09月01日(水) ~ 03日(金)
開催場所: 幕張メッセ「日本コンベンションセンター」
主 催: (社)日本分析機器工業会
情報入手: http://www.jaima.or.jp/show/
New
(4) 2004東京国際デジタル会議
開 催 日: 2004年09月02日(木) ~ 03日(金)
開催場所: 東京・品川 新高輪プリンスホテル
主 催: 日経ビジネス(日経BP社),日経エレクトロニクス
情報入手: http://nb.nikkeibp.co.jp/digital/
(5) μTAS2004 (The 8th International Conference on Miniaturized Systems
for Chemistry and Life Sciences)
開 催 日: 2004年09月26日(日) ~ 30日(木)
開催場所: Malmo, Sweden
主 催:
情報入手: http://www.microtas2004.lu.se/
New
(6) 日経ナノテク・ビジネスフェア2004(Nikkei Nanotech Business Fair 2004)
開 催 日: 2004年09月29日(水) ~ 10月01日(金)
開催場所: 東京国際展示場「東京ビッグサイト」西2ホール
主 催: 日本経済新聞社
情報入手: http://www.nikkei-nanofair.com/
New
(7) 第4回先端メカトロニクス国際会議(ICAM'04)
開 催 日: 2004年10月03日(日) ~ 05日(火)
開催場所: 旭川グランドホテル(旭川市)
主 催: 日本機械学会
情報入手: http://www.jsme.or.jp/0410030c.htm
(8) 第6回国際シンポジウム「ロボットとの共存」
- Living with Robots - Symbiosis of Robots and Human Being -
開 催 日: 2004年10月04日(月) ~ 05日(火)
開催場所: 東京、一橋記念講堂
主 催: (社)日本工学アカデミー
情報入手: http://www.eaj.or.jp
(財)マイクロマシンセンター 協賛
New
(9) ICALEO 2004: International Congress on Applications of Lasers and Electro-Optics
開 催 日: 2004年10月04日(月) ~ 07日(木)
開催場所: San Francisco, CA USA
主 催: Laser Institute of America
情報入手: http://www.icaleo.org/
New
(10) Photonex 2004
開 催 日: 2004年10月06日(水) ~ 07日(木)
開催場所: Coventry, UK
主 催: SPIE
情報入手: http://www.photonex.org/
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(11) Seeing at the Nanoscale Conference II
開 催 日: 2004年10月13日(水) ~ 15日(金)
開催場所: Grenoble, France
主 催: Minatec
情報入手: http://www.minatec.com/events/index.htm
(12) 第21回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム
(The 21st Sensor Symposium on Sensors, Micromachines, and Applied Systems)
開 催 日: 2004年10月14日(木) ~ 15日(金)
開催場所: 京都テルサ
主 催: 電気学会 センサ・マイクロマシン準部門
情報入手: http://www.iee.or.jp/smas/
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(13) NanoMed 2004 - 4th International Workshop on Biomedical Applications
of Nanotechnology
開 催 日: 2004年10月14日(木) ~ 15日(金)
開催場所: Berlin, Germany
主 催: Center for Biomedical Nanotechnology Berlin, etc.
情報入手: http://www.cc-nanochem.de/Aktuell.htm
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(14) Transport Phenomena in Micro and Nanodevices
開 催 日: 2004年10月17日(日) ~ 21日(木)
開催場所: Hawaii, USA
主 催: Engineering Conferences International
情報入手: http://www.engconfintl.org./4at.html
(15) European Micro and Nano Systems 2004 (EMN04) Advances & Applications
for Micro & Nano Systems
開 催 日: 2004年10月20日(水) ~ 21日(木)
開催場所: ESIEE, Noisy le Grand, Paris, France
主 催: Tima, ASME, and etc.
情報入手: http://tima.imag.fr/conferences/EMN/
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(16) EMN04: European Micro and Nano Systems 2004
開 催 日: 2004年10月20日(水) ~ 21日(木)
開催場所: Noisy le Grand, Paris, France
主 催: ASME, ASME Nanotechnology Institute
情報入手: http://www.asme.org/events/nanoeurope/
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(17) 1st Conference on Advanced Nanotechnology: Research, Applications,
and Policy
開 催 日: 2004年10月21日(木) ~ 24日(日)
開催場所: Washington D.C., USA
主 催: Foresight
情報入手: http://foresight.org/Conferences/AdvNano2004/index.html
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(18) IEEE SENSORS 2004
開 催 日: 2004年10月24日(日) ~ 27日(水)
開催場所: Vienna, Austria
主 催: IEEE
情報入手: http://www.ewh.ieee.org/tc/sensors/sensors2004/
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(19) 第17回マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議 (MNC2004)
開 催 日: 2004年10月26日(火) ~ 29日(金)
開催場所: ホテル阪急エキスポパーク, 大阪
主 催: 応用物理学会
情報入手: http://www.nano.ee.es.osaka-u.ac.jp/mnc/
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(20) HANNOVER MESSE ハノーバー・メッセ2005 『マイクロテクノロジー』
マイクロシステムズ及びナノ応用技術専門見本市
開 催 日: 2005年04月11日(月) ~ 15日(金)
開催場所: Hannover Messe(ハノーバ国際見本市会場), Germany
主 催: Deutsche Messe AG
情報入手: http://www.hannovermesse.co.jp/
Ⅴ その他会員への情報
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