Ⅰ 国内外トピックス
1 新聞記事
2月10日 日刊工業新聞
DNA解析デバイス 心臓部に「ナノボール」:低コストで高性能;徳島大などが開発
徳島大学薬学部の馬場嘉信教授らは、ゲルやポリマーの代わりに直径数十ナノメートルの球状化合物を心臓部に使い、低コストで高性能なデオキシリボ核酸(DNA)解析デバイスを開発した。ポイントとなったボールは、ポリ乳酸の核をポリエチレングリコールの殻で球状にくるんだもので、殻の厚さを調節することで全体の直径を10~100ナノメートルの範囲で正確に制御できる。直径50ナノメートルのボールを溶液に溶かしてデバイス上に刻まれた10~100マイクロメートルの溝を満たしたところ、ゲルやポリマーを敷き詰めたデバイスより解析精度が数倍に早まり解析能力も飛躍的に高まったという。米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」に詳細が掲載された。
2月10日 日本経済新聞
IT製品の情報安全性評価:富士総研が参入
富士総合研究所は携帯電話など情報関連機器の安全性を評価するサービスを始める。個人情報などが守られているかどうかを個別商品ごとに評価する。情報技術機器やソフトの安全性を7段階で評価する「コモンクライテリア」という国際規格に基づいて評価する。認証機関の製品評価技術基盤機構(NITE)が評価結果を認証する。米国では国防総省が昨年7月から調達基準として同規格を採用している。国内でも既に業界団体(JEITA,ECSEC)などが評価事業を始めているが、富士総研は民間企業としては初の評価機関となる。
2月16日 日刊工業新聞
DNA解析チップ CD-R上に形成:データ信頼性アップ;静岡大と徳島大
静岡大学の藤本正之教授と徳島大学の馬場嘉信教授らのグループは、CD-R(追記型コンパクトディスク)のディスク上にデオキシリボ核酸(DNA)解析用マイクロチップを成形する技術を開発した。DNAサンプルと解析データを一体化することで、食品の産地特定などに用途が期待できる。CD-R裏面の記録層を一部削り、DNA解析用に幅100マイクロ×深さ40マイクロメートルの溝を成形。独特の薄膜をかぶせ、DNAを密閉した。CD-Rは記録データが変更できない点を生かし、重要データの保存などに利用されている。
2月17日 日本経済新聞、日経産業新聞
最速・最小の光スイッチ:次世代の光通信制御;横河電機
横河電機は16日、次世代の光パケット通信向けに世界最小・最高速のスイッチ技術を開発し、来年から発売すると発表した。ガリウム・ヒ素などを素材に使った化合物半導体にスイッチ素子と、これを動かす光電子融合回路を新開発した。化合物半導体の内部に形成したごく微細な溝に電流を流すことでミラー状の物質を操作し、光のままで伝送経路を切り替えられるスイッチとした。新開発のスイッチは従来型の百万倍速い2ナノ秒で光信号をそのまま2方向に振り向けられる。これを世界最小となるA4判ノート大の面積を持つ箱に収めた製品を試作し、正常動作を確認した。
2月18日 日刊工業新聞
無線LAN装置小型化:微小電気機械技術を応用;三菱電機
三菱電機は17日、微小電気機械システム(MEMS)技術を使って、コンデンサーやスイッチなどの無線通信用デバイスを一つのシリコンチップ上に作り込む「高周波回路向け共通微細加工プロセス」を開発したと発表した。情報量が大きい車載レーダーやミリ波帯の高速無線LANなどの装置の小型化と低コスト化を実現する。構造は上部の誘電体薄膜とシリコン基板との間に約30マイクロメートルの溝を作り中空にし、同薄膜上にコンデンサーやコイルを一般的な半導体プロセスと同じ方法で加工した。
2月19日 日刊工業新聞
高品位接合技術を開発:複雑・微小セラ部材 接着強度が倍増;産総研と新東ブイセラックス
産業技術総合研究所セラミックス研究部門は、新東ブイセラックスと共同で、遠心力を利用して、従来は困難だった複雑形状で微小なセラミックス部材の高品位接合技術を開発した。圧膜の基板への接着強度が従来の2倍に向上し、超寿命化できるのが特徴。マイクロマシンなどの微小部品への応用を目指す。この接合技術は、部材を乗せたセラミック製ローターを高速で回転させて圧力をかけながら、800度C程度の高温で焼成する。現在までに最大加速度10万Gで発生する圧力での接合に成功。これにより大きさが数百マイクロメートル程度のマイクロマシンなどに使う微小部品への応用が期待出来る。
2月20日 日経産業新聞
100ギガビット基幹網に対応:8波長を同時処理;NTT
NTTは毎秒100ギガビットの超高速通信を可能にする、次世代の超高速光通信用素子を開発した。半導体レーザーから出る光を超高速で点滅させ光信号を発生させる光変調器に新構造を採用し、一つの光変調器で波長が微妙に違う8種類の光を同時処理できるようにした。大都市間を結ぶ基幹通信網用の素子として3~5年をメドに実用化する。研究グループは分波器、増幅器、導波路、合波器の順にそれぞれを適切に接合し集積化する技術を開発。一つのチップ(縦15ミリメートル、横7ミリメートル)上に集積することに成功した。
2月22日 日本経済新聞
血糖値測定、採血不要に:健康治療情報を管理;日立が在宅医療支援
日立製作所は在宅医療支援事業に参入する。第一弾として糖尿病患者が採血をしなくても自分で血糖値を測定できる装置を開発、2005年にも医療機器として発売する。日立が開発したのは、指先を置くだけで血液中の血糖値が測定できる装置。温度や光を測定する複合センサーを使い、血液中のヘモグロビンの状態や血流量、熱エネルギーなどを計測、血糖値をはじき出す。指先を置いてから4分程度で測定結果が出る。日立はバイオ・医療事業を今後の強化分野と位置付けているが、これまでは病院用の医療機器が主体だった。今後は高脂血症など、他の生活習慣病でも自宅で測定できる装置を開発、在宅医療関連事業の拡大を目指す。
2月23日 日経産業新聞
ナノ光触媒で数十倍早く:医薬中間原料の合成;東大、ガラス製チップ開発
東京大学の北森武彦教授と金幸夫助教授らは、医薬品の中間原料を効率的に合成できる「化学反応チップ」を開発した。ガラス製チップ内に刻んだ微細な流路に原料を流し、ナノメートルサイズの厚さで付けた光触媒で反応させる。東大グループは流路の表面に200ナノメートルの厚みで光触媒の酸化チタンを付け、さらに触媒の働きを助ける直径約1ナノメートルの白金微粒子を付着させた。実験で、原料が光触媒部分を1分間かけて通過するように調整し、光を当てたところ、86%のリジンが反応してピペコリン酸になった。粉末の光触媒と原料を容器に入れて反応させる場合に比べ数十倍速い。
2月26日 日経産業新聞
光変調器 小型で省電力:新構造、伝送距離2倍に;NTT研
NTTフォトニクス研究所は光ファイバー通信の信号処理の心臓部となる光変調器で、大きさを従来の1/20、消費電力を1/3に抑える新技術を開発した。伝送距離を現在の2倍以上に伸ばせるほか、通信速度も4倍の40ギガビットに高めるめどをつけた。2年以内に実用化を目指す。光変調器の大きさは縦4.5ミリメートル、0.8ミリメートル。装置本体は半導体を層状に重ねて作り、外部から電圧を加えると光信号を超高速で点滅する。今回の成果は米ロサンゼルスで開かれている光通信国際会議で26日に発表する。
2月27日 日経産業新聞
MEMSに参入:メムス・コアへ6.3%出資;日立超LSI
日立超LSIシステムズは、半導体加工技術を使って回路やセンサーなどを小型に集積するMEMS事業に参入する。1月、MEMS受託開発ベンチャーのメムス・コア(仙台市、本間孝治)に6.3%資本参加した。日立超LSIは自社のマイコン設計技術とメムス・コアのプロセス技術を融合し、MEMS製品の事業化に向けて共同開発に取り組む。日立製作所では機械研究所がMEMS技術を利用した遺伝子検査デバイスを開発、事業化を目指している。
3月2日 日経産業新聞
個人認証装置 指かざし瞬時に:静脈パターンで判別;日立
日立製作所は1日、指をかざすだけで本人かどうか識別できる個人認証装置を開発したと発表した。静脈のパターンを見分ける方式で、指を差し込まなくても装置の上に軽く置くだけで識別できるようにした。金融機関向けに10月に実用化する。指に近赤外線を当て、透過した光を小型カメラで読み取り、静脈の形を見分ける。二つの光源を使い、赤外線が指の左右の側面に当たるようにした。光の量を瞬時に増減し、読み取った2枚の画像を合成すると鮮明な画像を得られる。処理時間は0.3秒以下。
3月3日 日経産業新聞
微小化学チップ 光当て流路切り替え:壁面に反応物質;東大が新手法
東京大学の北森武彦教授と金幸夫・助教授らは、微量の化学物質や試薬を流して反応させる微小化学チップの流路を光で切り替える新手法を開発した。流路を外部から変えられ、複雑な化学反応を容易に再現できる。開発したチップは光を当てると性質が変わる「フォトクロミック化合物」という物質で流路の壁面を覆った。この化合物は可視光を当てると水をはじき、紫外線を当てると水になじむようになる。流路が枝分かれした部分にこの仕組みを応用すれば、光の種類を変えることで水の流路、脂の流路をそれぞれ切り替えられる。現状では色素に光を当ててから流路が切り替わるまでに1分以上かかり、反応性が低いことが課題。
3月5日 日刊工業新聞
1秒でガラス内部に「光の指紋」:光の回折限界を突破;京大大学院 新たなナノ加工技術
京都大学大学院工学研究科の平尾一之教授らの研究で、フェムト(1000兆分の1)秒レーザーのシングルビームを用い、プラズマ電子との干渉を起こし、約1秒でガラスなどの内部にナノ周期構造を作製できることが分かった。シングルビームで干渉を起こす現象の発見は興味深く、新たなナノ加工技術として注目される。今回はレーザーの波長800ナノメートルの半分以下のナノ加工を実現しており、光の回折限界に対するブレークスルーでもある。加工したガラス(SiO2)はセンチメートル角で厚みは5ミリメートル。表面から100マイクロメートル内部に幅10-20ナノメートル、間隔100ナノメートルの縞状の周期構造ができている。
Ⅱ マイクロマシンセンターの動き
1 第4回新機能性材料のNEMSへの展開に関する調査研究委員会の開催
平成15年度第4回新機能性材料のNEMSへの展開に関する調査研究委員会(委員長:京都大学 田畑修教授)が2月16日(月)に開催されました。
第4回会議では、材料・加工・応用の3つの視点での調査研究の報告書案の詳細レビューが行われました。この結果を踏まえて各担当分の追加調査、修正、加筆等を行い、今年度の報告書としてとりまとめる予定となっています。
今回の成果は、今後マイクロ・ナノ融合領域の研究開発のあり方などを引き続き検討していくうえで活用していく予定です。
2 第29回標準化委員会の開催
第29回標準化委員会(委員長:佐藤壽芳氏 東京大学名誉教授)が2月19日(木)に開催されました。今回の議題は各委員会・部会から今年度の活動状況が報告されました。主な報告事項は以下のとおりです。専門用語部会ではマイクロマシン専門用語の国際標準化提案NP(New
Proposal)を昨年度行い、そのフォローを今年度進め、CD(Committee Draft)を経て、今年3月にCDVを提示するところまで進展させることができました。、専門用語の定義に関しては日本が大いに貢献できたことが報告された。材料特性標準化委員会からはIECに標準資料片
NP、引張試験法 NPの新規格提案がなされ、日本案がCD(Committee Draft)に進めることできたことが報告された。薄膜材料の疲労試験に関しては現在ある軸引張疲労試験規格の見直しや試験機構造試料片の検討など、事業初年度としての基本的なところの調査研究の進捗状況報告がされました。
次回第30回は平成16年6月ごろの開催になります。
3 第4回MEMS産業化共同調査委員会の開催
第4回MEMS産業化共同調査委員会(委員長:オリンパス㈱ 太田亮氏)が2月20日(金)に開催されました。今回の委員会ではこれまでの議論をまとめる形で討論され、一応の結論として以下の3点の課題は、ファンドリーネットワークの更なる充実と産業界全体に役立つと考えられるので、ファンドリーサービス産業委員会に提案することとなった。
(1)MEMS専門用語はファンドリー間でも若干の違いがあるので、用語追加も含めマイクロマシン専門用語集を改定する。
(2)ユーザとファンドリーとのコミュニケーションの手段として、医者に掛かる前に記入する“問診表もどき”のものを共通ツールとして作成する。
(3)大学の保有技術をファンドリーに移転するためのマッチングの場あるいは大学の最新技術の公開の場を設定する。
4 第9回ファンドリーサービス産業委員会の開催
第9回ファンドリーサービス産業委員会(委員長:オリンパス(株)、三原孝士氏)が2月23日(月)に開催されました。今回は、前半で当委員会委員を対象として「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクトの基本計画委員会」専門家ワークショップがNEDO主催で行われ、その後今年度の事業内容に関する議論が行われました。このワークショップは平成16年度新規プロジェクト「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」の事前調査の一環として、プロジェクトの基本計画委員会が専門家(当委員会委員)向けに新プロジェクトの基本計画(案)を説明し、計画に対する意見を求めたものです。
ファンドリーサービス産業委員会の事業内容に関する主な議論の概要はつぎの通りです。
(1)第2回MEMS講習会の開催結果及び次回講習会について
第2回MEMS講習会「MEMS設計・加工技術」を1月20日(火)13:30~17:30~19:00にぱ・ る・るプラザ京都(京都駅前)で開催。参加者総数は102名と大盛況。
次回第3回MEMS講習会開催場所及び講習会の内容について議論した。この議論の内容 を踏まえ、次回委員会でさらに効果的な方法・内容を検討する。
(2)MEMS産業化共同調査委員会からの提案
当センターのMEMS産業化共同調査委員会からの当委員会への下記の検討依頼提案が 行われた。
①MEMS用語の整備
②当委員会ホームページの内容充実
③ユーザとファンドリーメーカ間のやり取り用“問診表もどき”の整備
④産学マッチングの強化
(3)各社の得意技術紹介
アルバックとナノデバイス・システム研究所の担当であったが、委員の都合がつかず、次回 紹介とした。
(4)当委員会ホームページの全面改訂内容紹介
ファンドリーサービス産業委員会の活動内容及び委員企業の特徴、得意技術を一般に広く 理解して貰うために、ユーザーフレンドリーで使いやすく見やすいホームページに全面改訂し た。(平成16年1月14日)
(5)その他
当委員会の新規会員として、4月から日本ユニシス・エクセリューションズ(株)が入会するこ とが了承された。
次回第10回委員会は5月18日(火)15:00~17:30に開催予定。
5 第3回国際・交流委員会の開催
第3回国際・交流委員会(委員長:中島尚正 放送大学教授)が2月26日(木)に開催された。この会議の中で、事務局から今年度の国際交流事業計画の実施状況とMEMS2004への参加など、関連する国際交流活動について報告されました。また今後の当委員会の開催計画など平成16年度国際交流事業計画(案)が審議され、承認されました。
新年度の国際交流事業計画の基本方針、事業計画を以下に掲載します。
<基本方針>
当センターは、マイクロマシン(MEMSなどの微小マシン/システム)の基盤技術の確立及び普及を図り、我が国の産業経済の発展及び国際社会に貢献することを目的として諸活動を行っている。1991年以来10年間にわたり経済産業省のマイクロマシン研究開発プロジェクトを推進した結果、今やこのプロジェクトの優れた成果の多くが参加企業で製品化され、内外で高く評価されている。最近では、製造業のキーデバイスとなりつつあるMEMSの開発、普及、産業化を支援する目的で、国際マイクロマシンサミットへの参加、国際マイクロマシンシンポジウムの開催などの国際交流事業を通して先端技術を内外に紹介している。さらにナノテク、バイオ技術、IT等の先端技術動向を踏まえた次世代マイクロマシン、NEMS等の基盤技術の確立を目指すこととする。
<平成16年度事業>
1.国際マイクロマシンサミット
マイクロマシン(MEMSなどの微小マシン/システム)に関する技術的課題等について意見交換を行うハイレベルの国際会議で、各国持ち回りで毎年開催されている。定期的な情報交換と人的ネットワークの形成に重要であり、引き続き積極的に対応する。 第10回のフランス、グレノーブルでのサッミットには、下山
東京大学教授(国際交流委員会委員)を主席代表とした代表団を派遣する。
2.国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
マイクロマシン(MEMSなどの微小マシン/システム)の先端技術の研究開発を推進するため国際的な技術交流が必要である。特にマイクロマシンは、近年技術進展が著しいナノテク、バイオ、IT等との融合化が急速に進んでおり、これらの情報交換を必要としている。平成16年度の国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムは、「マイクロとナノの融合領域の技術課題とその展望」を中心テーマとしたパネルディスカッション等の中で内外有識者との意見交換を図り、我が国のマイクロマシン(MEMSなどの微小マシン/システム)の産業化を継続して支援すると共に、世界の技術フロンティアへの挑戦を目指す内容とする。
3.その他
交流訪問については個別の案件に軸足をおき、海外での学会に参加する機会などを活用して交流訪問を行う。
6 第3回国内外技術動向調査部会の開催
第3回国内外技術動向調査部会(部会長:早稲田大学 庄子習一教授)が2月27日(金)に開催されました。本部会は、マイクロマシンに関する国内外の最新かつ詳細な情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的としています。
今回は、下期の技術動向調査として、"MEMS 2004" の全発表内容の分類集計結果、及び各委員から全発表論文の動向調査を行った結果が報告されました。
MEMS2004は今回17回目にあたり、2004年1月25日(日)~29日(木)の日程でオランダ、マーストリヒト市で開催され、当日受付も含めると600名以上(事前登録者ベース:546名)と活況を呈している。発表件数は、招待講演3件、口頭発表41件、ポスター発表171件の計215件でした。内容の詳細は年度末に発行する報告書に纏めると共に、当センターホームページの賛助会員のページ:分野別研究開発動向に掲載される予定です。
なお、次回の平成16年度第1回国内外技術動向調査部会は5月17日(月)14:00~16:00に開催予定です。
7 第3回調査研究委員会の開催
平成15年度第3回調査研究委員会(委員長:東京大学 藤田博之教授)が3月4日(木)に開催されました。
今回は、現在調査研究中の「国内外技術調査事業」、「新機能性材料のNEMSへの展開に関する調査研究事業」、「MEMS関連市場と日本の競争力分析に関する事業」、「マイクロ分析・生産システムに関わる再委託事業」、「MEMS産業化共同調査研究推進に関する調査研究事業」についての本年度の進捗状況が報告されました。
8 第4回材料特性標準化委員会の開催
第4回材料特性標準化委員会(委員長:大和田邦樹 国際標準化工学研究所 所長)が3月5日(金)に開催され、3月中に日本から提出するIEC (国際電気標準会議)/
TC47(半導体デバイス)への新規格提案の内容につき議論を行いました。今回の議論を踏まえて、引張試験法と標準試験片についてのドラフトを作成し、国際提案を行う予定です。国内のJIS化についても英文案の完成度を見据えつつ並行して検討を進めています。
9 薄膜材料疲労試験に関する第2回合同委員会を開催
今年度経済産業省より受託しました「エネルギー利用合理化システム標準化調査事業(マイクロ・ナノ材料の疲労試験に関する標準化)に関する掲題の委員会を3月5日(金)に開催しました。本委員会は本事業おける今年度まとめの委員会となるため、疲労試験の標準化を主たる目的とする標準化推進委員会(委員長:大和田邦樹 国際標準化工学研究所 所長)と、疲労試験の実施を主たる目的とする調査研究委員会(委員長:肥後 矢吉 東京工業大学 教授)との合同委員会として開催しました。委員会では、今年度活動のまとめとして、東京工業大学、名古屋大学、群馬大学および豊田中央研究所より薄膜材料の疲労試験法に関する研究成果を報告して頂くと共に、この成果をもとに来年度本格的に実施する予定の疲労試験のラウンドロビンテストを含めた今後の研究方向と、国際規格の提案に向けた考え方を討議しました。
なお、当センターからは国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)に、マイクロマシン/MEMS専門用語や、薄膜材料の引張試験に関して3件の規格提案の実績を有しております。
Ⅲ 海外からの訪問者
1 韓国「INTELLIGENT MICROSYSTEM CENTER」の来訪
2月20日(金)、韓国Intelligent Microsystem Center (IMC)のDirector /Dr. J.O. Parkが当センターを訪問された。Dr.
J.O. Parkは KIST(Korea Institute of Science and Technology) の出身で、1999年に開始された韓国の10年プロジェクト、Intelligent
Microsystem Project (IMP)の中で、MEMS/Systemの研究開発を行うIMCを創立し、そのDirectorに就任しています。またDr.
J.O. Parkは、国際マイクロマシンサミット、国際マイクロマシンシンポジウム等、国際的なイベントに積極的に参加することで広い人脈を開拓しており、日本にも東京大学、名古屋大学、東北大学等の研究機関に人脈を持っています。今回、来日し一週間に11ケ所の研究機関を訪問し、更に当センターを来訪されたのは、IMPの概要やIMCの研究開発の目的や実績を紹介し、情報を交換するのが目的であった。
(IMP/IMCの概要)
1999年後半に開始された韓国の10年プロジェクトで、IMPの総予算は約一千億円(9百万USドル)で、プロジェクトはMEMS/System、Nano
Material、Nano Device、Nano Processの4つに分けら、500人が参加している。期間的には3分割され、第1、2 Phaseは各3年間、第3Phase
が4年間になっています。
IMCはMEMS/Systemの研究開発を担当しており、15名の人員で官・学・産のセンター業務を行っています。IMCの10年間の研究予算は約160億円で、その内94億円が政府予算、政府以外から66億円の資金を得ており、独立した研究機関になっています。日本のNEDOと同じように研究テーマを公募し、審査に合格したものに研究費を配分する形をとっています。提案の約60パーセントは大学の研究機関から出されています。
1999年後半からの第1PhaseではITとBio 技術の研究開発を進め、直径10ミリ、長さ25ミリメートルのカプセル内視鏡と健康管理を目的とした腕時計サイズのバイオ医療診断システムのデモ品を作成しています。研究開発は1年毎に見直しを行い、国際的に競争力が育たないと判断したITは中止しています。
2003年からの第2Phaseでは、Bio Medical に研究開発の重点を移し、戦略的なロードマップに沿って、カプセル型内視鏡と腕時計サイズの血液分析装置など体内と体外の2方向面から医療システムの開発を進め、国際市場への進出を目指しています。
Ⅳ イベント案内
1 当センター主催のイベント
・詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870
(1) 第10回国際マイクロマシンサミット
開 催 日: 平成16年5月3日(月)~5日(水)
開催場所: フランス・グレノーブル
(2) 第15回マイクロマシン展
開 催 日: 平成16年11月10日(水)~12日(金)
開催場所: 科学技術館・東京北の丸公園
(3) 第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催
開 催 日: 平成16年11月11日(木)
開催場所: 科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2番1号)
2 その他のイベントのお知らせ
・詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870
・ 番号上にNew の表示のあるイベントは、今回新規掲載分。
(1) ナノテクノロジーの展開に向けた極微スケール標準物質と計測技術
第1回国際シンポジウム
開 催 日: 2004年03月15日(月) ~ 16日(火)
開催場所: 東京ビッグサイト(Tokyo Big Sight (Ariake, Tokyo, Japan)
主 催: (独)産業技術総合研究所
情報入手: http://www.nmij.jp/MP/SMAM-1/
New
(2) 第2回ナノテクノロジー総合シンポジウム(JAPAN NANO 2004)
開 催 日: 2004年03月15日(月) ~ 17日(水)
開催場所: 東京ビッグサイト(東京,江東区有明)
主 催: 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
情報入手: http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html
New
(3) nano tech 2004 国際会議
開 催 日: 2004年03月17日(水) ~ 17日(水)
開催場所: 東京ビッグサイト、会議棟1階
主 催: nano tech 実行委員会
情報入手: http://www.ics-inc.co.jp/nanotech/nanoweek.html
New
(4) 再生医療+ナノメディスン Expo 2004
開 催 日: 2004年03月17日(水) ~ 19日(金)
開催場所: 東京ビッグサイト東5ホール
主 催: 再生医療Expo実行委員会
情報入手: http://www.ics-inc.co.jp/mExpo/
New
(5) nano tech 2004 - 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(International Nanotechnology Exhibition
& Conference)
開 催 日: 2004年03月17日(水) ~ 19日(金)
開催場所: 東京ビッグサイト東4・5ホール&会議棟
主 催: nano tech 実行委員会
情報入手: http://www.ics-inc.co.jp/nanotech/
New
(6) ナノメディシンフォーラムNMF2003(III)「マイクロイメージングの医療応用(仮題)」
開 催 日: 2004年03月18日(木)
開催場所: 東京国際展示場(東京ビッグサイト)会議棟703会議室
主 催: 財団法人医療機器センター
情報入手: http://nano.jaame.or.jp/medicine/nmf2003/info_03.html
New
(7) Nano-Biz-Bio 2004: AIST Symposium on Industrial Nanotechnology
開 催 日: 2004年03月18日(木)
開催場所: 東京ビッグサイト、会議棟1階
主 催: 産業技術総合研究所
情報入手:
(8) センサ総合展2004
開 催 日: 2004年04月07日(水) ~ 09日(金)
開催場所: 有明・東京ビッグサイト
主 催: 日本工業新聞社
情報入手: http://www.jij.co.jp/event/sensor/
(財)マイクロマシンセンター 後援
(9) HANNOVER MESSE (ハノーバー・メッセ国際産業技術見本市)
開 催 日: 2004年04月19日(月) ~ 24日(土)
開催場所: Hannover Messe, Germany
主 催: Deutsche Messe AG
情報入手: http://www.hannovermesse.co.jp/
http://www.hannovermesse.de/
(10) TECHNO-FRONTIER 2004
開 催 日: 2004年04月21日(水) ~ 23日(金)
開催場所: 日本コンベンションセンター (幕張メッセ)
主 催: (社)日本能率協会
情報入手: http://www.jma.or.jp/TF/
(財)マイクロマシンセンター 協賛
New
(11) MEMS IV: 4th Annual MEMS Technology Seminar
開 催 日: 2004年04月26日(月) ~ 28日(水)
開催場所: Hyatt Regency Los Angeles, Los Angeles, CA, USA
主 催: ASME
情報入手: http://www.asme.org/education/techsem/mems/
(12) DTIP 2004 (Symposium on Design, Test, Integration and Packaging of
MEMS/MOEMS)
開 催 日: 2004年05月12日(水) ~ 14日(金)
開催場所: Montreux, Switzerland
主 催: Tima, IEEE, etc.
情報入手: http://tima.imag.fr/conferences/dtip
(13) ロボティクス・メカトロニクス講演会2004 (ROBOMEC 04 名古屋)
開 催 日: 2004年06月18日(金) ~ 20日(日)
開催場所: 名城大学
主 催: (社)日本機械学会
情報入手: http://www.toyota.nitech.ac.jp/robomec04/
(財)マイクロマシンセンター 後援
New
(14) μTAS2004
開 催 日: 2004年09月26日(日) ~ 30日(木)
開催場所: Malmo, Sweden
主 催:
情報入手: http://www.microtas2004.lu.se/
(15) European Micro and Nano Systems 2004 (EMN04) Advances & Applications
for Micro & Nano Systems
開 催 日: 2004年10月20日(水) ~ 21日(木)
開催場所: ESIEE, Noisy le Grand, Paris, France
主 催: Tima, ASME, and etc.
情報入手: http://tima.imag.fr/conferences/EMN/
Ⅴ その他会員への情報
1 2004年マイクロマシンサミットの開催
2004年の第10回国際マイクロマシンサミットは、5月3日-5日の3日間フランスのグルノーブルで開催されます。日本からは、下山 勲 東京大学教授を主席代表とする代表団とオブザーバーを派遣いたします。
旅程は5月1日(土)成田発―5月8日(土)成田着の予定で、現在、航空券、ホテル等の手配を進めております。賛助会員の皆様には、各社の窓口担当者あてに電子メールを送付し、1月15日―2月6日に亘ってオブザーバー参加者の募集を行いましたが、参加をご希望の方は、3月15日(月)までに事務局あてご連絡下さい。参加者の追加について開催窓口と交渉します。費用は500ユーロの参加費および交通費と宿泊費です。
なお、このサミットのプログラムについては、当センターのホームページに掲載の暫定版をご覧下さい。
2 第15回マイクロマシン展開催案内
第15回マイクロマシン展は11月10日(水)~12日(金)、科学技術館(東京・北の丸公園)で開催されますが、この度、出展者募集用のパンフレット「出展のご案内」が完成しました。毎年出展希望者が増加してきており、希望の出展ブース(展示場所)で出展するためには、お早目の出展申し込みをお願いします。パンフレット「出展のご案内」は当センターにも置いてありますので、ご希望の方はご請求ください。なお、第15回マイクロマシン展関連情報はホームページにも記載されていますのでご利用ください。
(URL;http://micromachine.jp/)
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