マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、月例経済報告(3月21日)
内閣府は、3月21日、月例経済報告を発表しました。
3月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、穏やかに持ち直している。」としています。基調判断については、5カ月連続して表現が同一です。
「先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が確かになることが期待される。ただし、欧州の政府債務危機の影響や原油価格の上昇、これらを背景とした海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。今月は、原油価格の高騰に特に言及しています。
また、「政府は、大震災からの復興に全力を尽くすとともに、欧州政府債務危機等による先行きリスクを踏まえ、景気の下振れの回避に全力を尽くす。また、デフレ脱却に断固として取り組み、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。このため、「円高への総合的対応策」及び平成23年度第3次、第4次補正予算を迅速に実行するとともに、平成24年度予算及び関連法案の早期成立に努める。
政府は、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む。デフレ脱却に向け、日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営を期待する」としています。
参考:
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2、2月の貿易収支黒字
財務省は、3月22日、2月分の貿易統計(速報)を発表しました。
それによりますと、2月の貿易収支は329億円の黒字となりました。黒字となるのは5カ月ぶりです。
この内、輸出は5.44兆円(対前年同月比▲3%減少)、輸入は5.41兆円(同+9%)となりました。
対前年同月比で増加した主な品目は自動車(+7%)鉄鋼(+1%)等となっています。輸入の増加した主な品目は、液化天然ガス(+54%)、原粗油(+16%)等となっています。
参考:
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3、OECD、2012年前半の経済成長率予測を引き上げ
OECD(経済協力開発機構)は、3月29日、日米欧の短期的な経済成長見通しを公表しました。OECDは、毎年5月及び11月に経済見通し(アウトルック)を公表しますが、今回の見通しはその中間評価との位置付けです。
それによりますと、日本の2012年第1四半期(1~3月)の経済成長見通しを3.4%としました。これは昨年11月の見通し1.8%より上方修正しています。また、第2四半期は1.4%成長と見込んでいます。
米国の同第1四半期成長率については2.9%、第2四半は2.8%としています。いずれも昨年11月の予測から引き上げています。
一方、欧州については、独仏伊の3国の第1四半期の成長率は▲0.4%のマイナスとしています。ただ、第2四半期には0.9%の成長となるものと予測しています。
参考:
http://www.oecd.org/dataoecd/44/56/49995523.pdf
4、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2012年2月分速報 2012年3月30日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。2月分の概要(速報)は以下の通りです。
-持ち直しの動きで推移―
・今月は、生産が低下、出荷、在庫は上昇、在庫率は低下であった。
・製造工業生産予測調査によると、3月、4月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。
2月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
2月の生産は、前月比▲1.2%の低下と3カ月ぶりの低下 (前年同月比は1.5%の上昇)となり、指数水準は94.1 (季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、一般機械工業、輸送機械工業、情報通信機械工業等であった。品目別にみると、携帯電話、普通乗用車、デジタルカメラ、アクティブ型液晶素子(大型)の順に低下に寄与している。
(2) 出荷
2月の出荷は、前月比1.1%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は1.1%の上昇)となり、指数水準は95.7 (季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等であった。
(3) 在庫
2月の在庫は、前月比0.1%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は1.0%の上昇)となり、指数水準は103.1(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、鉄鋼業、金属製品工業等であった。
2月の在庫率は、前月比▲3.9%の低下と2カ月ぶりの低下(前年同月比は4.6%の上昇)となり、指数水準は109.1(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、3月は前月比2.6%の上昇、4月は同0.7%の上昇であった。3月の上昇は、輸送機械工業、情報通信工業、電子部品・デバイス工業等により、4月の上昇は、化学工業、輸送機械工業、一般機械工業等による。2月の実現率は▲1.2%、3月の予測修正率は▲0.2%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
5、2月の失業率は低下
総務省は、3月30日、2月分の労働力調査の結果(速報)を発表しました。
それによりますと、2月の完全失業率(季節調整値)は4.5%でえあり、前月から0.1%低下しました。
また、同日、厚生労働省は2月の一般職業紹介状況について発表しています。それによりますと、2月の有効求人倍率は0.75倍で前月に比べて0.02ポイント上昇(改善)しています。この内、正社員有効求人倍率は0.49倍となり前年同月を0.09ポイント上回っています。
参考:
URL1、
URL2
6、2月の消費者物価、上昇
総務省は、3月30日、2月の消費者物価指数を発表しました。
それによりますと、2月の消費者物価指数(生鮮食料品を除く総合)は、前年同月比で0.1%上昇しました。対前年比で上昇するのは5カ月ぶりです。
上昇した主な品目は、電気代(対前年同月比+7%)、穀物(同+4%)、ガソリン(同+3%)等となっています。一方、下落した主な品目は、ノート型パソコン(同▲19%下落)、電気冷蔵庫(同▲33%下落)等となっています。
生鮮食料品を含む総合では、対前年同月比+0.3%の上昇となりました。2カ月連続で上昇しています。
参考:
URL
7、2月の消費支出、増加
総務省は、3月30日、2月の家計調査の結果(速報)を発表しました。
2月の2人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり26万7,895円となり実質で前年同月比2.3%の増加となりました。前年同月比でプラスとなるのは2カ月ぶりです。また、対前月比でも実質で1.8%の増加と2カ月連続で増加しました。
対前月比で増加した主な品目は、家具・家事用品(実質で+10%)、保険医療(同+7%)、交通・通信(同+4%)等となっています。
参考:
URL
8、日銀短観、横ばい
日銀は、4月2日、3月の短観(企業短期経済観測調査)を発表しました。短観は、企業の景況感を示す指標です。
それによりますと、企業の景況感を表すDI(業況判断指数)は、大企業製造業でマイナス4となり、昨年12月の前回調査と同じ値となりました。DIは、景気について「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値です。この値がプラスになると「景気が良い」と答えた企業の割合が多いことになり、逆にマイナスになると「景気が悪い」と答えた企業の割合が多いことになります。今回の結果は、「景気が悪い」と答えた企業の割合が依然として多いという結果になっています。
業種別に見ますと、自動車(前回12月のプラス20から今回は28に上昇)、電気機械(同マイナス21からマイナス17に改善)等の業種は改善しています。逆に、鉄鋼(同マイナス10からマイナス17に下降)、非鉄金属(同0からマイナス11に下降)、化学(同マイナス6からマイナス14に下降)等の業種は悪くなっています。
参考:
http://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2011/tka1203.pdf
9、2月の経常収支、黒字
財務省は、4月9日、2月の国際収支(速報)の結果を発表しました。
それによりますと、2月の経常収支は1.2兆円の黒字となりました。1月は、単月で過去最高の4千億円の赤字でしたが、2月は2カ月ぶりに黒字となったものです。
貿易収支も1千億円の億円の黒字となり、前月の1.4兆円の赤字から黒字に転換しました。黒字となるのは5カ月ぶりです。
また、所得収支(投資収益の受け取り等)は1.24兆円の黒字であり、前年同月比で4%増加しています。所得収支の黒字は11カ月連続で拡大しています。
参考:
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10、海外生産比率上昇
経済産業省は、3月28日、2010年度における海外事業活動基本調査の結果を発表しました。
それによりますと、2010年度における製造業の海外生産比率は18.1%となりました。これは前年度比で1.1%上昇しています。業種別に見ますと、輸送機械(39%)、情報通信機械(28%)などの業種について海外生産比率が高くなっています。
また、海外設備投資比率は17.1%となり、対前年度比で1.2%上昇しています。製造業の海外設備投資額は2.3兆円となり、対前年度比で13%増加しました。
海外の現地法人全体の売上高は183兆円で、対前年度比11%増加しました。
参考:
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