マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、7月の生活保護者、過去最多
厚生労働省は、11月9日、平成7月分の生活保護の状況を公表しました。
それによりますと、7月時点で生活保護を受給している人員は205万人となりました。これは、過去最多だった1951年度(昭和26年度)の月平均を超えています。世帯数も過去最多の149万世帯となりました。
生活保護の受給者は1995年度には88万人と過去最低を記録しましたが、その後の景気悪化の影響を受け徐々に増え続けています。今年は、東日本大震災の影響で、3月には200万人を突破し、その後毎月増え続けています。
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2、ユーロ圏の成長率、鈍化の予想
EU(欧州連合)は、11月10日、2011-2013年の景気予測を発表しました。今回の予測は、5月時点での予測を修正したものです。
それによりますと、ユーロ圏17カ国の実質GDP(国内総生産)成長率の予測は、2011年が1.5%(前回5月の予測より▲0.1%の減)、2012年が0.5%(同▲1.3%の減)、2013年が1.3%と予測しています。特に、2012年の予測が前回5月の予測より大幅に減少しています。
2012年の予測を国別に見ますと、ドイツが0.8%(前回5月の予測より▲1.1%減)、フランスが0.6%(同▲1.4%減)、イタリアが0.1%(同▲1.2%減)、ギリシャがマイナス2.8%(同▲3.9%減)、スペインが0.7%(同▲0.8%減)等となっています。
ユーロ圏以外の国の2012年の成長率の予測を見ますと、日本が1.8%(前回5月の予測より+0.2%)、米国が1.5%(同▲1.2%減)等となっています。
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3、10月の企業物価、対前年比1.7%上昇
日銀は、11月11日、10月分の企業物価指数(速報)を発表しました。企業物価指数とは、卸売等で企業同士が取引する製品の価格水準示したものです。
それによりますと、10月の国内企業物価は前年同月比で1.7%上昇しました。対前年比で上昇するのは13カ月連続となります。ただ、9月が対前年同月比で2.5%の上昇でしたので、上昇幅は減少しています。前月(9月)比では▲0.7%の下落となっています。
対前年同月比で上昇した主な品目は、石油・石炭製品(+13%)、電気・都市ガス・水道(+7%)、鉄鋼(+4%)、製材・木製品(+4%)等となっています。逆に減少した主な品目は、情報通信機器(▲11%減少)、電子部品・デバイス(▲4%)、非鉄金属(▲3%)等となっています。
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4、7~9月期のGDP、4半期ぶりプラス
内閣府は、11月14日、7~9月期のGDP(国内総生産)の結果(速報)を発表しました。
それによりますと、この期間のGDPの伸び率(実質)は1.5%(年換算で6.0%)でした。名目でも1.4%の成長(年換算で5.6%の成長)でした。
実質成長率がプラスとなるのは4四半期ぶりです。どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、実質で見ますと、内需が1.0%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が0.4%となりました。
実質の成長率を項目別で見ますと、民間最終消費支出が1.0%の増となっています。民間企業投資は1.1%の増、政府最終消費支出が0.4%の増等となっています。一方、公共投資は▲2.8%の減となりました。
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5、エネルギー需要における石油の割合、10年の34%から35年には28%に減少
OPEC(石油輸出機構)は、11月8日、「石油市場見通し2011年版」を発表しました。2010年までは30年までの予測でしたが、今回からは35年までの予測になりました。
それによりますと、2035年のエネルギー全体の需要は10年と比較して51%増加するとしています。うち、石油の割合は10年時点の34%から35年には28%に低下するとしています。
ただ、石油需要は10年の日量8,680万バレルから、15年には日量9,290万バレル、35年には同1億970万バレルに増加するとしています。増加需要分の大半はアジアの途上国が占め、先進国の需要は05年に既にピークに達し、今後は減少の一途をたどるとしています。
供給面では、10年から15年にかけて、カスピ海周辺地域、ブラジル、カナダなどの非OPEC加盟国から日量300万バレルの増加、OPEC加盟国からは日量360万バレルの増加が見込まれるとしています。
原油価格は、35年には1バレル当たり133ドルになるとしています。ちなみに、2011年10月の価格は106ドルです。
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6、10月の貿易収支、赤字
財務省は、11月21日、10月分の貿易統計(速報)を公表しました。
10月分の収支は3千億円の赤字となりました。赤字となるのは2カ月ぶりです。
10月分の内訳は、輸出が5.5兆円で知前年同月比3.7%の減少です。また、輸入は5.8兆円であり、対前年同月比で+18%となりました。
輸出が減少した主な品目は、半導体用電子部品(対前年同月比▲21%)、船舶(同▲32%)、電算機類の部分品(同▲18%)等となっています。自動車は増加しています(同+6%)。
輸入の増加した主な品目は、原粗油(対前年同月比+33%)、液化天然ガス(同+64%)等となっています。
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7、月例経済報告(11月24日)
内閣府は、11月24日、月例経済報告を発表しました。
11月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、穏やかに持ち直している。」としています。基調判断については、前月の「持ち直しているものの、そのテンポは穏やかになっている。」から「穏やかに持ち直している。」に変更しましたが、総括判断は維持しました。
「先行きについては、サプライチェーンの立て直しや各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、電力供給の制約や原子力災害の影響に加え、欧州の政府債務危機などを背景とした海外経済の下振れや為替レート・株価の変動、タイの洪水の影響等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。この表現は、前月を概ね踏襲したものです。
また、「政府は、震災からの復興に全力で取り組むとともに、急激な円高の進行等による景気下振れリスクや産業空洞化のリスクに先手を打って対処するため10月21日に閣議決定した「円高への総合的対応策」を迅速に実行する。日本銀行に対しては、政府と緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営によって経済を下支えするよう期待する」としています。
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8、10月の消費者物価、下落
総務省は、11月25日、10月分の消費者物価指数を発表しました。
10月の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)は、対前年同月比で▲0.1ポイント下落しました。下落は4か月ぶりとなります。生鮮食料品を含む総合でも▲0.2ポイント下落しています。
これは、昨年10月のタバコ値上げの影響が今月からなくなったことによります。
対前年同月比で下落した主な品目は、テレビ(対前年同月比▲26%のマイナス)、電気冷蔵庫(同▲29%)等となっています。逆に値上がりした主な品目は、光熱水道費(対前年同月比+5%)、ガソリン(同+8%)等となっています。
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9、OECD、12年の経済成長率を下方修正
OECD(経済協力開発機構)は、11月28日、経済見通し(アウトルック)を発表しました。今回の発表は、前回の5月の見通しを修正したものです。
それによりますと、2012年のOECD加盟国の実質経済成長率は1.6%としました。これは前回5月の見通しである2.8%より大幅に下方修正したものです。
この内、ユーロ圏の成長率は0.2%としました。前回の予測2.0%から大幅に下方修正したものの、まだプラス成長とみています。日本は2.0%と予測(前回の予測は2.2%)、米国は2.0%(同3.1%)です。
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10、10月の完全失業率は4.5%
総務省は、11月29日、10月分の労働力調査の結果(速報)を公表しました。
それによりますと、10月の完全失業率(季節調整値)は4.5%でした。これは9月より0.4ポイント上昇しています。これは、大震災後に一時的に職探しをあきらめていた人の求職活動が増えたことによるものと考えられています。
また、厚生労働省は、同日、10月分の一般職業紹介状況の結果を公表しました。それによりますと、10月の有効求人倍率は0.67倍であり、前月と同水準です。
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11、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2010年10速報分 2011年11月30日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。10月分の概要(速報)は以下の通りです。
-生産は横ばい傾向―
・今月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。
・製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は横ばい傾向にある。
10月の生産・出荷・在庫動向
(1)
生産
10月の生産は、前月比2.4%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は0.4%の上昇)となり、指数水準は92.7 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除、医薬品)等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、駆動伝導・操縦装置部品等の順に上昇に寄与している。
(2)
出荷
10月の出荷は、前月比0.6%の上昇と2カ月ぶりの上昇 (前年同月比は0.1%の上昇)となり、指数水準は93.3 (季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、輸送機械工業、鉄鋼業等であった。
(3)
在庫
10月の在庫は、前月比0.8%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は6.9%の上昇)となり、指数水準は103.5(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、パルプ・紙・加茂加工品工業等であった。
10月の在庫率は、前月比▲1.1%の低下と2カ月ぶりの上低下(前年同月比は0.8%の上昇)となり、指数水準は117.9(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、11月は前月比▲0.1%の低下、12月は同2.7の上昇であった。11月の低下は、情報通信機械工業、鉄鋼業輸等により、12月の上昇は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等による。10月の実現率は▲0.6%、11月の予測修正率は▲2.4%となった。
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12、アジア開発銀行、アジア地区の成長率を下方修正
アジア開発銀行は、12月6日、アジア14カ国・地域(日本は除かれている)の国内総生産(GDP)成長率を下方修正しました。
新たな見通しでは2011年の成長率を7.5%としました。前回9月の予測では7.6%でしたので0.1ポイント下方修正したことになります。2012年の成長率は7.2%と予測しています。前回の9月の予測より0.3ポイント下方修正しています。
国別に見ますと、中国の成長率は、2011年は9.3%(前回9月の予測と同じ)、2012年は8.8%(同▲0.3%減)となっています。韓国の2011年の成長率は3.7%(同▲0.6%減)、2012年は3.9%(同▲0.4%減)となっています。
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