MMC-MIF-BEANS Monthly

[No.2010-07] 2010年7月14日発行


ニ ュ ー ス 目 次  

    1 第21回マイクロナノ/MEMS展の開催迫る(7月28日~30日)
    2 IEC TC47/SC47F会議の開催(年7月1日)
    3 第6回日韓中標準化ワークショップの開催(7月2日)
    4 フランス・LETI年次報告 (6月22日)
    5 Nanotech2010報告(6月21日~24日)
    6 BEAN総合研究会報告(6月15~16日)
    7 MemsONE実習講習会を東京・大阪で開講(6月14日、18日)
    8 つくばイノベーションアリーナシンポジウム開催(6月30日)
    9 平成22年度第1回運営委員会・通常理事会・評議員会の開催


    1 MEMSアフリエート関係のイベント


    
1 経済・政策動向トピック


    1 NEDO組織改編
 
    
  
ニ ュ ー ス 本 文

  

1 第21回マイクロナノ/MEMS展の開催迫る(7月28日~30日)

総合イベント マイクロナノ2010
<世界最大規模のMEMS、ナノ、バイオの総合イベント>
 
第21回マイクロマシン/MEMS展 
【NEW】ROBOTECH次世代ロボット製造技術展
【同時開催】 SURTECH 表面技術総合展
2010年7月28日(水)~30日(金)
東京ビッグサイト(東京国際展示場)東5・6ホール
 
 マイクロマシンセンターは、マイクロナノ/MEMS分野の最新技術・製品が効果的に一望できる総合イベント「マイクロナノ2010」を開催いたします。今年は、新設の「ROBOTECH」と表面技術協会による「SURTECH」とを同時開催し、また、「BEANSプロジェクトセミナー」など最新の研究・技術動向を網羅した同時開催プログラムも充実、さらに就活応援プラザを新設するなど、魅力的な総合イベントになっています。多数の皆様のご来場をお待ちしています。

【ここに注目!マイクロナノ2010】
(1) 3展示会を同時開催
MEMSセンサーやアクチュエータの有望な応用分野であるサービスロボットにフォーカスした展示会「ROBOTECH」を新規に開設します。「SURTECH」と合わせて、大きなシナジー効果が期待できます。
(2)センサーネットワークとその応用に焦点を当てた国際シンポ(7月28日13:00-16:15 特設会場A)
「アンビエントデバイスが拓くグリーンイノベーション」と題し、下山東大教授による基調講演に加え、新規なMEMSデバイスやその応用に関して、IMEC、仏LETI、米BSAC、独フラウンホーファーなどの国際的な研究機関の最新成果を提供します。
(3)つくばイノベーションアリーナ(TIA)NMEMSシンポジウム(7月30日 特設会場A)
TIA-Nanoの6つのコア領域の一つ、TIA-NMEMSをオープンイノベーションの拠点として実現する上で産学官から寄せられる期待と、そのためのMMC/MEMS協議会の活動を報告します。
(4) ROBOTECHセミナー(7月30日 特設会場B)
新規展示会「ROBOTECH」に合わせ、「ROBOTECHセミナー」を開催します。日本だけでなく、先進諸国の大きな課題となった少子高齢化に対応する、MEMS応用として有望なサービスロボットに関連した取組みを紹介します。
(5)MEMSコンシェルジェと就活応援プラザ
「圧電素子を応用したセンサーはどこが出してるかな?」など、目的の出展社ブースに来場者が簡単に行けるように、MMCブースにてお手伝いをします。お気軽にご相談ください。また、MEMSに関心を持つ学生と、優秀な人材が欲しい出展社の出会いの場として、就活応援プラザをMMCブースそばに設置します。

2 IEC TC47/SC47F会議の開催(年7月1日)

 MEMSに関する国際規格はIECのTC47/SC47Fが担当していますが、そのアドホック会議が7月1日に中国・西安で開催されました。
 会議には我が国より13名、韓国より13名、中国は15名と総数41名が参加しました。会議では開催宣言に続き、参加者の自己紹介、議事の確認、前回会議の確認、コンビーナーから審議状況の報告が行われた後、具体的な規格案の審議が行われました。
 我が国より提案していた「共振振動を用いた疲労試験法」「MEMS接合強度試験法」は各国コメントへの対応案が了承され、CDV(投票用委員会原案)に進む事になりました。「薄膜材料曲げ試験法」は、プロジェクト参加国数等の条件を満たしNP(新業務項目提案)として承認され、各国コメントが審議されCD(委員会原案)に進む事になりました。
 韓国提案の「RF-MEMSスイッチ」「FBARフィルタ」「曲げ引張試験法」「ウエハ・ツー・ウエハ接合強度試験」はFDIS(最終国際規格案)に進むことになり、早ければ年内にも国際規格となる事がほぼ固まりました。「マイクロピラー圧縮試験」はCDVへ、「熱膨張係数試験法」は具体的に計測法を記述して改訂CD(委員会原案)を提出する事となり、NPとして承認された「金属薄膜成形限界測定法」は各国コメントが審議されCD(委員会原案)に進む事になりました。韓国の新規提案「バルジ試験法」は各国コメントへの対応案が提示されなかったため審議されませんでした。
 今後の提案活動予定について、中国からは半導体プロセスの位置あわせのためのパターンデザイン、MEMSの幾何学パラメータの計測および微小エリアの接合強度試験法について報告がありました。韓国からは薄膜材料のポアソン比測定法、フレキシブルMEMSの電子機械動作の測定法について報告がありました。それぞれ、新規提案の準備をしているとの事でした。
 又、NP提案がプロジェクト参加国不足で否認された「PDMS接合強度試験法」と「残留応力測定法」はタイトル、内容を変更し再度提案する事が韓国より表明されました。
 次回会合は10月のシアトルですが、再会を約して終了しました。

  会議の様子

3 第6回日韓中標準化ワークショップ(7月2日)

 IEC SC47F/WG1国際標準化会議に引き続き、7月2日に同場所にて、日韓中MEMS標準化ワークショップが開催されました。将来の標準化に向けて開発している内容や、MEMSに関連する研究開発のトピックスが各国より紹介され、それぞれの発表に対して活発に質疑応答がなされました。各発表の概要を以下に示します。

1)“ MEMS Gyro-scope in Japan(日本におけるMEMSジャイロスコープの開発動向) “                        岩岡 秀人、 金沢工業大学
日本のMEMSデバイス関連の標準化ロードマップが紹介されました。MEMSの主要なアプリケーションとして携帯電話と自動車を取り上げ、そこで開発されるMEMSデバイスに合わせて標準化の計画を策定したものです。またその中から代表的なデバイスとしてMEMSジャイロが取り上げられ、最近の国際学会に見られる技術動向と、現在検討中の標準化項目が紹介されました。
2)“ Fracture Testing of Microscale Material (ミクロスケール材料の破壊試験)“
高島 和希、 熊本大学
MEMSデバイスに用いられる構造材料の破壊試験方法が紹介されました。材料の破壊試験方法に関しては既にISO、ASTM等で規格化されていますが、MEMSデバイスのようにミクロスケールの構造になると、マクロスケールの材料とは挙動が異なってくるため、そのサイズに適した試験方法の開発が必要になってきます。ここでは試験片の仕様(サイズ、材料種類、切欠き、切欠き+微小クラック有無)と破壊試験で求められる破壊靭性値等のパラメータの値を評価して、適切な試験片の仕様についての考察が紹介されました。
3)“ IEC TC47 and Need for New WG (Incubation WG) (IEC TC47今後の標準化の動き)”                  Cheolung Cha、韓国電子技術協会
 IEC TC47の幹事であるCha氏よりTC47の現在の構成と今後TC47が取り組むべき標準化の分野が示されました。今後取り組む分野として、エネルギーハーベスティング、貯蔵、エネルギー伝送、プリンティッドエレクトロニクス、フレキシブルエレクトロニクス等が挙げられました。
4)“ Capacitive sensor for monitoring of oil degradation (容量型自動車オイル劣化センサ)“              Sekwang Park、Kyungpook National 大学
 自動車のエンジンオイルの劣化をモニターできるセンサが紹介されました。オイルが酸化によって劣化する度合いを櫛型対抗電極を用いて電気容量の変化として捉える。信号処理ICと無線データ伝送を加えてシステム化し、センサとして有効に動作するところまで確認され、今後標準化が検討される予定です。
5)“ Test method for electro-mechanical behavior of flexible conductor (フレキシブル基板電気機械特性試験方法)“        Jae-Hyun Kim 韓国機械&材料協会
 最近、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ等のフレキシブルエレクトロニクスデバイスの開発が活発になっています。それに伴って、フレキシブル基板上に形成された薄膜構造体の電気的、機械的耐久性や基板との接着強度を評価する試験方法が検討されています。この発表では、フィルム基板上に形成された薄膜導電体に機械的ストレスを与えた時の電気特性の変化のデータが紹介されました。韓国では、フレキシブルデバイスの電気的、機械的試験方法について標準化が計画されています。
6)“ Study on the related issues in quantifying nanoroughness of a grating structure “(グレーティング構造の表面形状計測法に関する研究)”
Weixuan Jing 西安交通大学 精密工学科
 シリコン基板を垂直に深堀りして形成されるグレーティング構造は、MEMSデバイスやトランジスタに用いられ、年々加工線幅が微細化の方向に向かうとともに、その表面形状計測方法の開発が望まれています。ここではグレーティングの幅及び上部から見たエッジラインの粗さ評価をSEM観察及びSEMで得られたデータ処理によって求めた手法が紹介されました。
7)“ Electro-elasto-capillarity: Experiments and molecular dynamics simulations “
Ya-Pu Zhao 中国科学アカデミー
 撥水性基板上に置かれた液滴は、通常表面張力によって接触角が小さい半球状になる。ところが液滴に電界を加えることによって親水性に変化して濡れやすい状態に変化する。この現象を利用して、液体を輸送するドラッグデリバリやマイクロ流体デバイスへの応用が期待されています。ここでは、交流電界を印加した場合、入出力間で周波数が変化すること、周波数を増幅させる効果があることが紹介されました。
講演の様子 ワークショップ参加メンバー

 

4 フランス・LETI年次報告(6月22日)

 フランスにおける総合的な研究機関MINATECの年次報告イベントであるMINATEC Cross Road 2010の一環として、その中心的研究所であり、MEMS協議会の海外アフィリエートの一つであるLETIの第12回目のAnnual Reviewが、2010年6月22日、同研究所の所在地であるグルノーブル(仏)で開催されました。講演会は、LETI自身の研究成果だけでなく、様々なプロジェクトの協業相手からの講演も含めて構成されていました。マイクロマシンセンターからも、「MEMS R&D Landscape in Japan」と題して、MEMS協議会事務局の片白が講演をしました。
 講演としては、以下のトピックが発表されました。参考になるポイントも含め、紹介しておきます。

①「LETIの全体状況」CEO Malier氏
・ MINATEC全体で8,000人の研究者のうち、LETIが6,000人を占めること。
・ これまでの300mmラインやMEMS 8インチラインに加え、300mmの3D集積の研究棟を建設する予定であること。
・ 低消費電力CMOSの取組みで、20nmノードのSRAM試作に成功し、11nmの達成も見えたこと。
・ 3D集積について、LETIの特長であるTool Boxが提供できる状況になったこと。
・ Nokiaとの協業で、高速短距離通信の112Mbpsの伝送に成功したこと。駐車場応用において、位置情報も10-50cmの精度で得られたこと。
・ CMOSとの3D集積で、有機LEDによるマイクロディスプレイ(WVGA、1cm以下のサイズ、カラー)の試作に成功したこと。
②Embedded System
・ アプリとして、自動車、ロボット支援手術、ヘルスモニタリング、スマートグリッドを見ていること。
・ 自動車への応用としては、安全、エネルギー効率化、アクティブセキュリティ、自動高速道(運転者不要)、排気ガス低減、などがキーワードであること。
・ コンピューティングとセンサーなどの現実世界とのつながりを新しいアーキテクチャですり合わせる設計思想が必要となっていること。
③ルノーの電気自動車(EV) ルノー社のエキスパートリーダー
・ ルノーとしては、2011年に現在のラインアップのガソリンエンジンを電気モーターに換えることによるEV化を予定していること。さらに2015年までに、全て新規に設計したEVをラインアップする予定であること。
・ フランスにおいては、全体の80%が一日当り60km以下しか運転しないことから(日本では、9割が40km以下とのこと)、EVへの転換は進む環境にあると見ていること。
・ EVを実現する技術的なチャレンジとしては、電池のモニタリングや管理、社会インフラの整備、短時間充電のための技術革新があること。
④脳機能障害のナノテクによる治療 病院での共同研究(グルノーブル) LETIの科学アドバイザーであり病院医師・研究者
・ 脳に電極を入れて脳機能障害を治療する取組みが紹介された。
・ 2011年には専用の治療棟ができて本格的な治験が行われること。
・ ナノテクによる刺激を与えるユニットの小型化が求められていること。
⑤Green Data Center 協業先のBull社 R&Dディレクター
・ データセンターにおける電力消費は、冷却、IT機器、配線ロスが各々約3割ずつで構成されていること。
⑥エネルギーモニタリング LETIの成果
・ アプリとして、ホームユース、EVのための電池モニタリング、デバイスのためのエネルギーハーベスティングなどを見ていること。
・ 電池モニタリングでは、電流センサーが必要であること。EV一台に10個のセンサーが必要である。SOxセンサーも必要。
・ ホームユースに対しては、暖房、照明、位置情報、換気などの機能にエネルギーモニタリングが関係すること。換気には、安価なCO2センサーが必要で、現状、LETIでは赤外線センサー(ボロメータ)によるものができているが中期的には、50ドル以下のセンサーが必要であること。
・ スマートグリッドには、ワイドギャップの半導体が必要で、GaNに取組んでいること。
⑦光リンク
・ CMOSのプロセスを活用したフォトニクスのウエハー試作ができていること。そのフォトニクスのウエハーとCMOSのウエハーの接合、受発光素子、変調素子の3D集積でチップレベルの光配線ができるようになったこと。
⑧3D集積のモデル化、シミュレーション
・ 3D集積に関しては、熱解析やテストの解析が課題となっていること(昨年から取組みが始まった)。
・ 2011年1月に3D-300mmのラインが完成すること。
⑨Nokiaとの共同研究
・ ULS(Universal Local Storage)プロジェクトがLETIと共同で進められていること。
・ 高速、低消費電力通信、ソフトウエアの開発が進められていること。
・ 研究資金はNokiaが出している。マイクロン他も参加しているが、自己責任で開発に加わっていること。

 マイクロマシンセンターからの講演「MEMS R&D Landscape in Japan」では、任天堂Wiiやデジタルカメラの手ぶれ防止ユニットに採用された加速度センサーやジャイロスコープが、ヨーロッパのSTMicroelectronicsや米国のInvenSenseのデバイスであり、日本のデバイスメーカーからのものではないのはなぜか、すなわち、この分野で日本が競争力を失いつつあるのはなぜか、ということを日本のMEMS産業にとっての問題点として捉え、2010年3月にまとめられた産業動向調査や内外技術動向調査の示す傾向を踏まえて、背後にある原因と課題をいくつか挙げ、解決策のひとつとして、つくばイノベーションアリーナ(TIA)-NMEMSについて紹介しました。
 全体としては、ナノエレ、パワーエレ、3D集積、センサーネットワーク応用、医療応用など、TIA-Nanoで取組まれるであろう領域がLETIにても取組まれており、厳しい競争にもなるであろう一方、協業の可能性も感じました。MEMS協議会として、今後も様々なレベルの情報交換や協業のきっかけ作りに貢献していきます。
LETI 12th Annual Review CEO Malier氏の講演


5 Nanotech2010報告(6月21日~24日)

 ナノテクノロジーを応用した分野の技術動向、産業動向の調査を目的として、米国アナハイムで開催されたNanotech2010に参加しましたので、その内容からトピックスを紹介します。本会議の対象分野は、ナノテクノロジー応用を大前提として、ナノマテリアル、MEMS/半導体、ナノバイオ、クリーンデバイスの4つの領域から構成されています。また発表は、その目的によって二つのグループに分けられ、一つは、大学を中心とする基礎的な研究発表で、もう一つは、企業間交流、企業-大学間交流を目的とした技術発表でした。特に後者は発表内容に工夫がこらされ、通常の企業の技術発表の他に、大学から保有特許のPR、大手企業から大学やベンチャー企業に向けた共同研究募集の説明、ベンチャーキャピタルからの説明、政府系ファンドの説明、特許事務所から特許戦略の説明、それぞれのセッションが設けられていました。ベンチャーの起業が盛んな米国らしい会議という印象を持ちました。この他にナノテクノロジー関連の展示会も併設開催されました。会議の規模は、研究発表が約1000件、技術発表が約260件、展示会出展社数258を数える大規模なものでした。今回はMEMS関連の企業の技術発表から全体動向を報告します。
 MEMSに関しては、あるレベルまで成功した企業(STmicroelectronics、SiTimes等)の発表が中心であったこともあり、非常に活気に満ちた発表が続きました。全体を通してMEMSのアプリケーション、市場は大きく広がり、革新的な技術開発と適切なビジネスモデルによってビジネスチャンスも大きく広げることが可能であるというのが共通的な見方でした。MEMSの要素技術、アプリケーション、ビジネスモデルに関し、まったく新規な発表はありませんでしたが、一般的に言われているMEMSの動向に沿って、着実に実践されていること、進展していることを検証することができました。具体的には、要素技術の動向としてCMOS一体化、多軸モーションセンサ等の機能集積化の進展、将来の伸びが期待されるアプリケーションとしてRF-MEMS、シリコン発振器、電子コンパス等への参入企業の増大、事業形態として水平分業型或いはそれを少しアレンジした半水平分業型の隆盛等を見ることができました。米国でのMEMS企業の多くはベンチャー企業です。彼らに共通する事項を挙げると、先行技術に優る新技術、特許が最低必要条件、アプリケーションは伸びる分野にターゲットを合わせる(ニッチではない)、ビジネスモデルは水平分業型、何らかのファンドを得ること等があります。これらはベンチャー企業として一般的なことですが、これを実際に実践できたところが成功企業としての地位を築くことになります。振り返って日本のMEMS産業の構造をみると、大手企業の一部門として垂直統合型で進めているところがほとんどです。どちらにも成功事例があり、どの方式がいいかというのはすぐに結論付けできるものではありません。今後は、本会議での調査結果を含め、マイクロマシンセンターの各委員会と協力して、さらに国内外の産業動向、技術動向の調査を進めて動向分析を行い、日本のMEMS産業の進むべき方向性について少しでも提案できるようにしたいと考えます。
セッションの様子 展示会

 

6 BEANS総合研究会報告(6月15~16日)

 BEANS総合研究会が経済産業省、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構から御来賓をお迎えして、2010年6月15日、16日の2日間、東京都府中市のクロスウェーブ府中にて総勢89名の参加により開催されました。本総合研究会は各テーマ、研究員の昨年度研究開発報告、各拠点間の技術融合による新技術創出、BEANSが創出する未来に関する議論、及びプロジェクト内協力、競争力の向上を目的として実施されました。
 15日(1日目)は来賓ご挨拶、遊佐プロジェクト・リーダー挨拶、ポスター形式発表のためのインデクシングを実施後、ポスター形式による昨年度研究成果発表が行われました。
 プロジェクト・リーダー挨拶では総合研究会の目的と主旨についての意義の確認、および今年度はプロジェクト中間評価年度にあたり、研究計画の遂行力の強化と成果の見える化が重要なポイントであり、プロジェクト研究員が全員一丸となって目標クリアに向けて注力することが重要であるとの話がありました。
PL挨拶 ポスター成果発表

 ポスター形式による昨年度研究開発報告は44件ありました。今年度のポスター成果発表では、インデクシングを実施し、各研究員が成果内容のアピールを各1分で行いました。インデクシングによる概要説明は好評でその後のポスター成果発表にも大きな意味がありました。また、各研究員は優秀ポスター発表を目指して、各自の持ち時間ポスター発表を行い、多くの有効な議論が交わされていました。ポスター成果発表の最後に藤田サブ・プロジェクト・リーダーからポスター発表に関する講評がありました。その後は食事を挟み、各研究テーマに関する議論が深夜まで交わされていました。
 16日(2日目)はグループ討議、技術委員会、グループ討議発表報告、口頭研究発表、優秀ポスター賞、優秀研究表彰が行われました。
全体会議風 藤田SPL講評

 全体会議風景   藤田SPL講評
 グループ討議では各拠点センターの研究員を産官学が融合する形で4つのグループに分け、現在取り組んでいる研究開発が10年後のライフスタイルに貢献すると共に、どのようにして革新的なデバイスの実現に結びつくのかに関して、議論が交わされました。
 グループ討議と並行して技術委員会が開催され、プロジェクト参加組合員企業との情報交換として、各センター長より平成21年度プロジェクト成果報告並びに2件の技術講演(東京大学酒井教授、首都大学東京諸貫教授)が行われました。
 その後、グループ討議の結果が参加者全員に紹介され、10年後のライフスタイルに関して会場からも多くの意見が出されていました。
 口頭研究発表では、各センター長推薦による以下の研究員の優秀研究発表が行われ、活発的な質疑が交わされました。
Life BEANSセンター     柴田秀彬
Life BEANSセンター九州  原田健太郎
3D BEANSセンター      額賀 理>
Macro BEANSセンター   村上隆昭

表彰式では上記研究員の他、以下の優秀ポスター賞の表彰も行われ、遊佐プロジェクト・リーダーより表彰状が手渡されました。
最優秀ポスター賞 小島伸彦
優秀ポスター賞 津田行子、小林健、嶋田友一郎、李永芳

最後にBEANS研究所の青柳研究調整監の講評の後、散会となりました。

7 MemsONE実習講習会を東京・大阪で開講

 MemsONE実習講座は、ユーザの活用をより強力に支援するために、実際にパソコン上で操作演習を行う「基本操作コース」、「解析コース」の2コースを用意し、東京で各2回、大阪で各1回の開催を予定しています。解析コースでは、ユーザが希望する解析に絞って集中的に指導する方法を採っています。また、少しでも多くの方が受講できるように、受講料の割引などの工夫をしています。
 これまでに、東京と大阪で下記の「基本操作コース」を開催致しました。東京第1回では定員5名のところ、6名の参加があり盛況でした。

第1回東京実習講座「基本操作コース」
◆開催日時: 平成22年6月14日(月)13:00~17:00
◆開催場所: 日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社 本社4F
◆受講者数: 6名
◆実習内容: 1)MemsONEの概要とCAD機能の基本操作
       2)機構解析の演習
       3)プロセス解析の演習
       4)機構解析の解析条件の保存と再利用
       5)2次元解析の演習

第1回大阪実習講座「基本操作コース」
◆開催日時: 平成22年6月18日(金)13:00~17:00
◆開催場所: 日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社 西日本事業所3F
◆受講者数: 2名
◆実習内容: 東京と同一

8 つくばイノベーションアリーナシンポジウム開催(6月30日)

 昨年来集中的に施設整備が行われ、わが国の研究開発拠点としての「つくばナノテクノロジー拠点」(つくばイノベーションアリーナ:TIA)実現に向け、 (独)産業技術総合研究所、(独)物質・材料研究機構、筑波大学、さらに産業界代表としての(社)日本経済団体連合の4者が連携し取り組んできました。アンダーワンルーフを標榜し、わが国のナノテクノロジーに係わる産、学、研究機関の研究者が有機的に連携して世界をリードすべき研究開発活動を進め、世界のナノテクノロジーに係わるさまざまな研究者が集う場を目指してきましたが、その取り組み内容を一般の方々にご披露する趣旨で、今回の第一回公開シンポジウムが6月30日の午後、経団連会館国際会議場で開催されました。
文部科学省研究振興局長磯田様のご挨拶
   
 300人を超える参加者が集うなか、来賓として経済産業省産業技術環境局長鈴木様、文部科学省研究振興局長磯田様のご挨拶の後、拠点の中心的な役割を担う(独)産業技術総合研究所の野間口理事長から、「研究開発拠点の重要性とTIA-nanoの挑戦」と題しTIAの取り組みの概要をご紹介され、続いて(社)日本経済団体連合会産業技術重点化戦略部長で株式会社日立製作所の中村取締役より「TIA-nanoと産業界との連携」で産業界からの期待について述べられました。
 その後、各コア領域の概要説明として5テーマ、コアインフラの概要説明2テーマの報告がありました。特に、MEMSコア領域で、(独)産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センター長、BEANSプロジェクトGデバイス研究体長である前田様より、MEMS関連施設の充実化と現在取り組んでいるプロジェクトである最先端研究支援プログラム「マイクロシステム融合研究」(中心研究者東北大江刺教授との共同)、BEANSプロジェクトGデバイステーマについて報告されました。MEMS8インチラインの充実と最先端12インチとの連携を中心課題とし、研究開発から試作までを実行できる拠点化に向けた抱負を述べられました。
Gデバイス前田研究体長の講演
 
第二部は、大手町サンケイプラザに会場を移し、関係団体の展示を含めたレセプションが行われました。TIAのある学園都市つくば市市長の市原さまもご出席いただきご挨拶いただくなど、産学官ばかりでなく地域との連携も踏まえた懇親の場となりました。
レセプション風景

マイクロマシンセンター、MEMS協議会としても、このTIAにおけるMEMSの研究開発試作拠点としての機能確立に向けて、協力に提案、推進活動を進めてまいる所存です。


9 平成22年度第1回運営委員会・第1回通常理事会・第1回評議員会の開催

 平成22年第1回運営委員会を、6月9日(水)に財団法人マイクロマシンセンターテクノサロンで開催しました。また、同月18日(金)には平成22年度第1回通常理事会を商工会館会議室にて、同日理事会開催後に第1回評議員会を同会議室で開催しました。
 これらの運営に関する会議では、以下の議題が審議され、各々について承認又は報告がなされました。
  議題は以下の通りです。
 1 平成21年度事業報告について
 2 平成21年度収支決算について
 3 平成21年度収支差額の処分について
平成22年度第1回理事会(商工会館)





1 MEMSアフリエート関係のイベント

<MEMS集中講義/第18回 MEMSPCカフェ in つくば>
【日時】
 MEMS集中講義
 平成22年8月5日(木)・6日(金)・7日(土)9時40分(初日 10時)~18時
 見学会(産総研東) 平成22年8月5日(木) 18時 ~ 19時 (先着50名)
 MEMSPCカフェ 平成22年8月6日(金) 18時 ~ 20時
【場所】
 MEMS集中講義 産業技術総合研究所つくばセンター つくば中央 共用講堂 1階講堂
 MEMSPCカフェ 産業技術総合研究所つくばセンター つくば中央 共用講堂 1階多目的室、ホワイエ
 (茨城県つくば市東1-1-1)
【参加費】
 MEMS集中講義 無料(講義資料及び講義データ(CD-R)を無料配布いたします)
 MEMSPCカフェ  会員:一口につき1名無料
 非会員:一人 4,000円 (学生 2,000円)
【主催】
 東北大学マイクロシステム融合研究開発センター、MEMSパークコンソーシアム、
 産総研集積マイクロシステム研究センター
【共催】
 東北大学マイクロ・ナノマシニング研究教育センター、東北大学ナノテク支援センター
【参加申込み・問合せ先】
=============================================
MEMSパークコンソーシアム事務局
江藤 千秋
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
東北大学大学院工学研究科付属 
マイクロ・ナノマシニング研究教育センター内
TEL:022-795-4263 FAX:022-795-6259
E-mail: [email protected]
URL: http://www.memspc.jp/

<第1回日中韓ジョイントセミナー2010>
【日時】2010年8月30日~31日
【場所】札幌コンベンションセンター
詳細は、
http://nano-micro.mech.kyushu-u.ac.jp/joint2010/

<Microtech World 2010 (韓国)>http://microtechworld.net/Eng/
会期:2010年8月18日(水)-20日(金)
会場:KINTEX, KOREA www.kintex.com
同時開催:
 Microtech World Business Conference
 International Printed Electronics Expo 2010
 NANO KOREA 2010 (The 8th International Nanotech Exhibition & Symposium)
 IEEE NANO 2010, joint symposium of NANO KOREA

 今回は Microtech WORLD実行委員会では、 ジャパンパビリオンとしてメイン通路に面した人通りの多い場所を確保しておりますので是非ご出展をご検討ください http://microtechworld.net/Eng/Exhibitor/Exhibitor_Info.asp
また通常のご出展の他、パネルポスター出展につきましても併せて募集しております。
ご出展・ご来場にご興味がございましたら、下記事務局までご連絡ください。

【問合せ先】 Microtech WORLD 実行委員会事務局 TEL:03-3219-3567  mailto:[email protected]





 本項は、マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。
 

1.2030年にCO2を1990年比で30%削減
 経済産業省は、6月9日、総合エネルギー調査会・総合部会を開催し、「エネルギー基本計画(案)」を示しました。
 この概要は、以下の通りです。
(1)2030年のCO2排出量は、190年比で30%減とする。この内、家庭部門は34%減、民生業務部門で37%減、産業部門で27%減、運輸部門で29%減とする。
(2)2030年までにエネルギー自給率(国産+原子力+自主開発資源)を70%程度まで向上させる(現行は38%)
(3)ゼロエミッション電源比率を2030年までに70%まで引き上げる(現行は34%)
(4)以上を達成するための2030年までの累積投資総額は約131兆円となる。内訳は、住宅・建築物の省エネで50兆円、再生可能エネルギー導入で26兆円、原子力発電で6兆円等となっています。

 参考:http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100608a06j.pdf
    http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100608a07j.pdf

2.1-3月期のGDPを改定
 内閣府は、6月10日、1-3月期のGDPを上方修正(2次速報値)しました。
それによりますと、同時期のGDP改定値は、物価変動を除く値(実質、季節調整済)で前期比1.2%増となりました。これは、年換算で5.0%となります。5月20日発表の1次速報値と比べて、年換算で0.1%上方修正されています。
これは、前回に比べて個人消費や公共投資が上方修正されたことによるものです。
 参考:http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe101-2/main_1.pdf

3.09年度の家計金融資産残高、3年ぶりに増加
 日銀は、6月17日、09年度の資金循環統計を発表しました。
 それによりますと、09年度の家計の金融資産残高は1,453兆円であり、対前年比3.1%増加しました。対前年比で増加するのは3年ぶりとなります。
 この内、株式・出資金の伸びは24%、投資信託の伸びは16%と大幅に伸びました。預貯金は798兆円で、対前年比1.5%の伸びとなりました。
 参考:http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/sj/sjexp.pdf

4.月例経済報告(6月18日)
 内閣府は、6月18日、月例経済報告を発表しました。
 6月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、着実に持ち直してきおり、自律的回復への基盤が整いつつあるが、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」としています。基調判断については、「依然として厳しい状況にある」との評価は据え置いたものの、その他の表現につきましては3カ月ぶりに小幅に上方修正しました。
「先行きについては、当面、雇用情勢に厳しさが残るものの、海外経済の改善や緊急経済対策を始めとする政策の効果などを背景に、企業収益の改善が続く中で、景気が自律的な回復へ続くことが期待される。
一方、欧州を中心とした海外景気の下振れ懸念、金融資本市場の変動やデフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。また、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。
また、「政府は、新たな需要と雇用の創造により、日本が本来持つ成長率を実現するため、需要面を中心とする新たな政策体系と政策理念の下、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとともにデフレを終結させるよう政策運営を行う。このため、6月18日に閣議決定された「新成長戦略」を推進する」としています。
さらに、「政府は、デフレからの脱却を喫緊の課題と位置づけ、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な取り組みを行う。」としています。
 参考:http://www5.cao.go.jp/keizai3/2010/0618getsurei/main.pdf

5.「新成長戦略」を閣議決定
 政府は、6月18日の閣議で、2020年までの「新成長戦略」を決定しました。その概要は、以下の通りです。
(1)2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長を目指す。
(2)失業率については、出来るだけ早期に3%台に低下させる。
(3)次の7つを戦略分野とする。
①グリーンイ・ノベーションによる環境・エネルギー大国
②ライフ・イノベーションによる健康大国 ③アジア経済戦略 
④環境立国・地域活性化戦略 ⑤科学・技術・情報通信立国 ⑥雇用・人材戦略
⑦金融戦略
(4)21世紀日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクトの選定
 ・法人実効税率を主要国並みに引き下げる 等
 参考:http://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/sinseichou01.pdf
    
6.財政戦略を閣議決定
 政府は、6月22日、閣議で「財政運営戦略」を決定しました。
 その概要は、以下の通りです。
(1) 財政運営の目標を基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を基に構成する。
*PBとは、政策的な経費を税収で賄えるかを示す指標。国債の償還費と利払い費を除く値である。平成10年度予算では、PBが24兆円の赤字となっている。
①15年度までにPBを対GDP比で半減する。
②20年度にはPBを黒字化する。
(2) 11~13年度の予算は国債費を除く一般会計予算を71兆円以下に抑制(10年度並み)
(3) 11年度の新規国債発行額は44兆円以下とする。(10年度並み)
(4) 新規政策の財源は歳出削減か増税で対応
 参考:
http://www.npu.go.jp/policy/policy01/pdf/20100622/100622_zaiseiunei-kakugikettei.pdf

7.内閣府、今年度の成長率見通しを上方修正
 内閣府は、6月22日、我が国のGDP(国内総生産)の見通しを上方修正しました。
 それによりますと、10年度の実質GDPの成長率の見通しは2.6%です。これは昨年末の見通しから1.2%上方修正しています。
 また、11年度の成長率は2.0%増を予想しました。
 ただ、両年度ともGDPデフレーターはマイナスを予想していますので、名目成長率が実質成長率を下回る状況は変わりません。
 参考:http://www5.cao.go.jp/keizai1/2010/h22shisan.pdf

8.経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2010年5月速報分 2010年6月29日)
 経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。概要は以下の通りです。
 -生産は持ち直しの動きで推移―
 ・今月は、生産、出荷が低下、在庫、在庫率は上昇であった。
 ・製造工業生産予測調査によると、6月、7月とも上昇を予測している。
 ・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。

5月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
5月の生産は、前月比▲0.1%の下落と3か月ぶりの低下(前年同月比は20.2%の上昇)となり、指数水準は95.9(季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置の順に低下に寄与している。
(2) 出荷
5月の出荷は、前月比▲1.7%の低下と3カ月ぶりの低下 (前年同月比は21.0%の上昇)となり、指数水準は96.4 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、石油・石炭製品工業等であった。
(3) 在庫
5月の在庫は、前月比2.0%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は▲0.8%の低下)となり、指数水準は96.5(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、化学工業、情報通信機械工業等であった。
 5月の在庫率は、前月比4.4%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は▲22.9%の低下)となり、指数水準は108.1(季節調整済み)となった。
製造工業予測調査
製造工業生産予測調査によると、6月は前月比0.4%の上昇、7月は同1.0%の上昇であった。6月の上昇は、一般機械工業、電気機械工業、化学工業等により、7月の上昇は、化学工業、一般機械工業、輸送機械工業等による。5月の実現率は▲0.6%、6月の予測修正率は▲0.5%となった。
 参考:http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html

9.5月の完全失業率、3カ月連続の悪化
 総務省は、6月29日、5月分(速報)の失業率を発表しました。
 それによりますと、5月の完全失業率(季節調整値)は5.2%であり、前月に比べて0.1%上昇しました。これで、上昇は3カ月連続となります。
 主な産業別就業者を前年同月で比べますと、「製造業」、「建設業」などが減少、「医療、福祉」などが増加となっています。
 また、同日、厚生労働省は5月分の有効求人倍率を発表しました。5月の有効求人倍率(季節調整値)は0.50倍となり、前月を0.02ポイント上回りました。
 参考:http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000780o-img/2r98520000007864.pdf

10.IMFの世界経済見通し、上方修正
 IMF(国際通貨基金)は、7月8日、世界経済の見通しを発表しました。
 それによりますと、2010年の世界全体の国内総生産(GDP)の成長率を4.6%としました。これは前回4月の見通しよりも0.4ポイント上方修正したものです。日本の成長率の予想は2.4%と0.5ポイント上方修正しています。米国は3.3%の成長と0.2%の上方修正、ユーロ圏は1.0%の成長と見込んでおり前回と同様の数字となっています。また、中国は10.5%と0.5ポイント上方修正、インドは9.4%と0.5%上方修正しています。
 一方、11年の世界全体の経済成長率の予測は4.3%と見込んでおり、前回4月の予測と同じ数字となっています。
 参考:http://www.imf.org/external/pubs/ft/survey/so/2010/RES070710A.htm

11.地上デジタル放送、ボリビアでも日本方式を採用
 ボリビアは、7月5日、同国における地上デジタルテレビ方式の規格として日本方式(ISDB-T方式)の採用を決定しました。
 海外で日本方式を採用するのは、ブラジル、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、エクアドル、コスタリカ、パラグアイ、フィリピンに続いて10カ国目になります。
 参考:http://www.meti.go.jp/press/20100706001/20100706001.pdf

12.海賊版対策に関する年次報告の公表
 経済産業省は、6月30日、この1年に実施した政府模倣品・海賊版対策等について取りまとめた年次報告書(2010年版)を公表しました。今回で5回目の報告となります。
 それによりますと、2008年度の模倣利害率(模倣被害者数/総回答企業数)は24.9%であり前年度の被害率から0.9%上昇しています。
 海外における被害状況についてみると、依然中国での被害が多くなっています。中国での被害者率は62%となっています。次いで台湾(24%)、韓国(22%)の順になっています。
 被害手口も巧妙化、悪質化しています。日本企業が中国で直面した侵害手口で最も多かったのは、「見た目そっくりに作り、商標を貼付せずに販売する手口」(43%)、「デッドコピーの模倣品に正規品と同程度の価格を設定して販売する」(21%)、「本体と商標シールを別々の場所で生産し、販売時点で添付する分業の手口」(19%)等となっています。
 参考:http://www.meti.go.jp/press/20100630005/20100630005-2.pdf





1 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の組織改編について

 平成22年7月に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)において組織改編がありました。当センター・BEANS組合が関係するところでは、「機械システム技術開発部」が「機械システム部」と名称変更されました。所掌業務に変更はないとのことです。
 その他では、「電子・情報技術開発部」と「ナノテクノロジー・医療技術開発部」が統合されて「電子材料・ナノテクノロジー部」となったこと等です。


 

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