陽極接合 【ようきょくせつごう:Anodic bonding】 0701102-7

【定 義】 可動イオンを含むガラスとシリコンウエハや金属等を密着接合する方法。 重ね合わせた基板を加熱して、ガラス側を軟化させる。 また、同時にシリコン側を陽極として両者の間に高電圧を付加することにより、電気的二重層を発生させ、静電引力により基板どおしを接合する。

【解 説】 接合は固相で行われるので、高精度の接合が達成される。 シリコンフュージョンボンディングほどではないが、接合強度は表面の平坦度に大きく影響される。 シリコンウエハとパイレックスガラス等を接合し、容量型圧力センサやマイクロポンプ等の内部キャビティーを持つ構造が作られている。 シリコン同士やシリコンと金属を接合するためには、表面にガラス薄膜を形成したり、シリコン表面を酸化したりする方法が試みられている。 薄膜を用いる方法では接合温度を高くすると薄膜の絶縁破壊電圧が低下し、十分な電圧が印加できないという問題があった。 低融点ガラスをスパッタ膜付けし、プロセス温度を常温に下げる試みもなされている。 常温にプロセス温度を下げると、熱応力に起因するひずみや変形などの諸問題が解決し、精度の向上や、材料の選択性が広がる等の多くの利点がある。

【参考資料】 (1)(2)(3)(4)

【関連用語】