【定 義】 物体上の電荷のように、静止した電気。
【解 説】 静電力を駆動源とする静電モータについては、昔から幾つかの試作例がある。 しかし、これらは通常のモータと同程度の大きさであったため、電磁モータの性能にははるかに及ばなかった。 マクロな大きさを扱うとき、電磁型のエネルギー変換に比べ、静電型は絶縁耐力の制限から変換のエネルギー密度が低いことが、実用化をはばんだ理由である。 しかし、微細化によりこの事情は静電型に有利な方向に変わりつつある。 すなわち、個体絶縁物の破壊電界強度は絶縁物の厚さが薄くなるほど上昇する。 絶縁体薄膜では2MV/cmの絶縁破壊強度は容易に得られ、このときの静電的吸引力は0.65MPa程度とかなりの大きさになる。 気体による絶縁では、パッシェン則による放電開始の下限電圧以下の電圧を用いれば、すき間をいくら小さくしても放電は生じない。 この下限が空気では330Vであるから、例えば1μmのすき間に300Vを加えると、約0.4MPaの吸引力が得られる。
【参考資料】 (3)
【関連用語】