【定 義】 マイクロマシンが使われるような微小な世界における伝熱工学。
【解 説】 マイクロメカニカルシステムにおける熱移動の機構は基本的にはマクロなシステムにおけるそれと変わることはないが、システムの代表寸法が小さいため、従来の経験式や理論式の適用範囲から外れることがある。 そのため熱移動に関して従来の経験式を適用する場合、熱の移動を支配する無次元パラメータの大きさに注意する必要がある。 マイクロメカニカルシステムの熱の移動については、大きく二つに区分できる。 一つはマイクロメカニカル要素内での熱の移動であり、他の一つは要素を取り巻く流体内、またはその流体の移動によって生じる熱移動である。 前者は熱伝導によって熱の移動が生じるのに対し、後者では熱伝導の他に流体の運動に伴う熱の移動も考慮しなければならない。 いずれの場合も、要素の内部で発生した熱を外部に放出しない限り、システムの温度が上昇してしまい、高精度のシステムは維持できない。 従って、除熱システムの設計は特に要素からの発熱負荷が大きい場合、非常に重要な問題となる。
【参考資料】 (4)
【関連用語】