【定 義】 変形を加えた後、加熱や刺激により変形前の形状に戻る性質を持つ樹脂。
【解 説】 形状記憶の性質を持たせるためには、架橋または部分結晶化された固定相と可逆相が混在している必要がある。形状を記憶、再生するには以下の手順をふむ。 まず樹脂をある温度以上に保ち、固定相と可逆相をともに軟化した状態にする。 次ぎに任意の一次形状に保ちながら温度をいくらか下げ、可逆相は軟化状態のままで固定相を凍結状態にすることで一次形状を記憶させる。 外力を加え別の二次形状にした状態で、さらに温度を下げ可逆相をも凍結状態にすることで二次形状に固定する。 この状態では、外力を取り除いても二次形状は保たれる。 ここで可逆相のみが軟化する温度まで加熱すると以前に記憶した一次形状に戻る。 加熱して柔らかくなることが形状回復の原因となっているため、大きな回復力は期待できない。 熱を介さずに、pH変化や電気刺激、光刺激などによって形状回復をする樹脂もある。 形状記憶樹脂にはポリエステル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエン、ポリノルボルネン、トランスポリイソプレン等がある。
【参考資料】 (4)(31)
【関連用語】